アルピーヌ新型「A290」 ハンドリングで “攻める” 高性能EV、6月13日のル・マン24時間で初公開へ 

公開 : 2024.04.03 06:25

アルピーヌは6月13日のル・マン24時間レース開催にあわせて新型EV「A290」の市販モデルを公開する。ブランド初のEVであり、ハンドリングを重視するホットハッチになると期待される。

ハンドリング重視の電動ホットハッチ

ルノー傘下のスポーツカーブランドであるアルピーヌは、6月13日に開催されるル・マン24時間レースで、新型EV「A290」の市販モデルを発表する予定だ。

A290は、ルノー5 EテックをベースとするBセグメントの小型ハッチバックで、アルピーヌらしい高い動力性能を持つとされる。今年2月には、寒冷地テストを行うプロトタイプの画像が公開された。

アルピーヌA290ベータ(コンセプトモデル)
アルピーヌA290ベータ(コンセプトモデル)    アルピーヌ

既存のA110に続く2番目のモデルラインであり、初の市販EVとなる。また、ルノー・メガーヌEテックをベースとするクロスオーバーと大型SUVが続き、A110の後継車とA310と呼ばれる4人乗りスポーツカーも登場する予定だ。

A290はルノーのCMF-BEVプラットフォームを使用し、車体下部にバッテリーを配置することで重心を下げ、リアアクスルには独立マルチリンク・サスペンションを採用するなどハンドリングの向上を図っている。さらに、油圧式バンプストップを追加して乗り心地とドライビング性能の両立を目指した。

フロントアクスルに搭載されるモーターのトルクベクタリングは、機械式ディファレンシャルの挙動を再現し、ブレーキング時の安定性と加速時のトラクションを高めているという。

デザイン責任者のアントニー・ヴィラン氏はA290の動力性能について、「重いバッテリーを搭載していても、軽快感とピュアな喜びという、これまでまったく同じドライビング哲学を見出したい」と語っている。

A290のボディサイズは全長3990mm、全幅1820mm、ホイールベースは2530mmとされる。

パワートレインは2種類あり、標準車にはルノー・メガーヌEテック・エレクトリックと共通の最高出力218psのモーター、さらなる高性能版には最高出力272psのモーターが搭載される。後者は2027年の生産開始が見込まれる。

バッテリーの詳細は不明だが、容量は約52kWhで、1回の充電での航続距離は400km弱と予想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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