BYDを抜き「世界一」へ テスラ、第1四半期で生産台数43万台超 予想下回るもライバル追い抜く
公開 : 2024.04.04 06:25
テスラは今年第1四半期(1~3月)で約43万3000台を生産し、ライバルのBYDを抜いてEVベストセラーに返り咲いた。しかし、EV需要軟化や不安定な世界情勢により業績は悪化した。
業績悪化も中国BYDを抜き「王座」奪還
米国の自動車メーカーであるテスラは、2024年第1四半期(1~3月)の生産・納車台数で中国のライバルBYDを抜いた。世界で最も売れている電気自動車(EV)メーカーの地位を取り戻した。
ただし業績は悪化した。テスラによると、1月1日から3月31日までの生産台数は約43万3000台、納車台数は38万6810台で、前年同期比で4万台近く減少し、予想を6万3000台下回った。
これは、米テキサス州フリーモント工場での改良新型モデル3の導入、紅海における船舶攻撃による輸送ルート変更、ドイツ・ベルリン工場での停電による生産停止(極左過激派による放火行為とされる)などが原因とされている。
EV需要の軟化も業績悪化の一因となっただろう。とはいえ、最終的にはBYDを追い抜いた。
BYDは2023年第4四半期にテスラを追い抜き、52万6409台のEVを生産した。テスラは48万4507台だった。この結果、テスラは数年ぶりにEV販売の王座を奪われた。
しかし、BYDの2024年第1四半期のEV生産台数は30万114台にとどまり、過去最高だった前四半期から43%も落ち込んだ。
テスラはここ数か月間、世界各地の市場で価格を引き下げ、販売促進を図ってきた。車種を見ると、第1四半期の納車台数の大半(37万台弱)をモデル3とモデルYが占め、残りの1万7000台はモデルS、モデルX、サイバートラックであった。
イーロン・マスクCEOは最近、同社が「2つの大きな成長の波の間にある」として、今年の販売台数と利益が落ち込むことを示唆した。2025年には、小型EV「モデル2(仮称)」を新たに導入してさらなる成長を狙う。