2024年版 カッコよくて実用的なステーションワゴン 10選 多用途に使える「合理的」な1台

公開 : 2024.04.14 18:05

8. トヨタカローラ・ツーリング

長所:優れた経済性、驚くほど優秀なハンドリング、快適な乗り心地
短所:「マニュアルモード」は形だけ、内装材の質感が残念、貧弱なインフォテインメント

かつてトヨタ・カローラは、単調な移動手段の代名詞的存在だった。耐久性と信頼性に優れているが、平坦で魅力に乏しいクルマだった。しかし、第12世代の現行型は、これまでの長所をすべて備えつつ、スタイルと走りの魅力度が大幅にアップしている。

8. トヨタ・カローラ・ツーリング
8. トヨタ・カローラ・ツーリング

TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)により上質な乗り心地とハンドリングのバランスに恵まれ、走りが楽しい、快適かつ洗練されたクルマに仕上がっている。

パワートレインはハイブリッドのみの設定だが、欧州では1.8Lと2.0Lを選べる。1.8Lハイブリッドは2023年の改良で最高出力140psにパワーアップし、十分なパフォーマンスを備えている。2.0Lハイブリッドは最高出力195psとさらにパワフルで、軽快な走りが楽しめる。

性能重視のマシンではないが、いずれも経済性は良好だ。その点、1.8Lは交通量の多い一般道では驚くほど低燃費だが、高速道路での移動が多いなら2.0Lの方がいいかもしれない。

インテリアは高級と言える水準には達しておらず、インフォテインメント・システムも精彩を欠いているが、適度な広さがあり、タフに作られている。トランクも広く、低いフロア高と適切な荷室形状を特徴としている。

なお、1.8Lハイブリッドのトランク容量は696Lだが、2.0Lハイブリッドではバッテリー配置の影響で581Lとなっている。1.8Lの方が広くて実用的、かつ経済的なのだ。いずれにせよ、現代のカローラはさまざまな魅力を備えている。

9. アウディA6アバント

長所:高級感あるインテリア、経済性の高さ、快適な長距離クルーザー
短所:クラストップレベルに狭い室内空間、タイトな後部座席

アウディのA6アバントは、Eクラスの新しさや5シリーズのドライビングの楽しさには叶わないが、それでも多くの魅力がある。

9. アウディA6アバント
9. アウディA6アバント

欧州では4気筒ガソリン、ディーゼル、PHEVの各種パワートレインが用意され、ドライビング・ダイナミクスでBMWを追いかけるのではなく、機械的な洗練と快適性を重視している。

インテリアは広々としていて高級感があり、時間を忘れてくつろげる。マルチメディアの触覚フィードバックは不器用だが、反応は素早く、空調コントロールには個別のスクリーンが用意されているため比較的使いやすい。

実用性の面でも高く評価できる。トランクの開口部は適度に広く、565Lの容量がある。ルーフの角度によって背の高い荷物は積み込みづらいが、開口部に厄介な敷居がないため重い荷物を運ぶのには便利だ。40:20:40分割可倒式リアシートを折りたためば、1680Lに拡大される。

速く走りたければ、高性能のRS6アバントがある。欧州仕様のS6アバントはV6ディーゼルを搭載する “変わり者” だが、RSのV8ガソリンは素晴らしいパワートレインであり、M5ツーリングやE 63ステーションワゴンのような複雑なハイブリッドシステムもない。

RS6アバントはダイナミクスも優れ、アウディ史上最高の速さを誇る。BMWのMモデルのような派手さはないが、リアバイアスとよく調整された四輪操舵(4WS)システムと相まって、十分な安定感があり、楽しませてくれる。

記事に関わった人々

  • イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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