北欧高級EV、ポールスターは「逆境」どう乗り越える? 需要低下とボルボ資金援助終了の影響は

公開 : 2024.04.04 18:45

次期主力EVは2027年頃登場か

ポールスターは2027年頃、新型EV「ポールスター7」を導入する予定だ。現在販売している「ポールスター2」の間接的な後継車となる。

ポールスター2は2020年に発売された小型の電動クロスオーバー車で、同ブランドにとって2番目の量産EVである。世界26の市場で15万台以上の販売を達成しており、最近もドライブトレイン構成の変更を含む大規模なアップデートが行われた。

2027年以降は次期「ポールスター7」が販売の主力になりそうだ。(編集部作成予想イメージCG)
2027年以降は次期「ポールスター7」が販売の主力になりそうだ。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

同社のベストセラー車であるが、今のところ後継車の計画はないようだ。インゲンラートCEOは後継車について、「ポールスター7になるだろう」と述べた。

ポールスターの車名は基本的に、発売順に沿って数字が割り振られており、必ずしもクラスやボディサイズを指すものではない。つまり、ポールスター7は7番目の量産EVということになる。

インゲンラートCEOは「どのようなタイプのクルマで、どのように実現するかは、時期が来ればお話できます」として詳細への言及を避けた。

同氏は現時点での大まかなコンセプトとして、現行型ポールスター2とは同等のクラスに該当するだろうと示唆した。しかし、同じクルマを何世代も販売することはイノベーションを阻害する可能性があるという。

「似たようなクルマを作るかもしれませんが、ナンバー(車名)が違いますし、これまでのクルマの概念に縛られるようなことはありません」

「(フォルクスワーゲンの)『ゴルフ』というカテゴリーを持つのは素晴らしいことですが、イノベーションの力という点では非常に限定的です。『ゴルフ』はどうあるべきか、という枠にはまってしまうからです」

ポールスター2は、ボルボ由来のコンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)をベースに開発されたが、次期ポールスター7では中国ジーリー(吉利汽車)グループのEV専用プラットフォームを採用する予定だ。おそらく、大型SUV「ポールスター4」と共通のサステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SEA)が選ばれるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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