「欧州テイスト」の中国車、どこから生まれる? 好まれる “乗り心地” の違いとは ニオ(NIO)

公開 : 2024.04.05 06:25

求められる「乗り心地」、欧州と中国でどう違う?

ニオが欧州に本格的に参入したのは2021年で、電動SUVのES8が同社初の “欧州仕様車” であった。

ES8も欧州向けに独自のシャシー・チューニングが施され、ステアリング、スプリング、ダンパー、ブッシュなどの特性は、中国で販売されるES8とは異なる。こうした特性は他のモデルにも取り入れられている。

ニオの次期大型セダン「ET9」
ニオの次期大型セダン「ET9」

「中国のお客様の多くは、セカンダリーライドの乗り心地を重視するため、衝撃吸収性が重要です。彼らはボディの大きな動きにも寛容です」

「あまり一般化はできないのですが、欧州のお客様は正反対です。優れたボディコントロール(プライマリーライド)を求めるので、ダンピングが非常に重要になってきます。同時に、乗り心地の厳しさには寛容です」

テオバルディ氏によれば、オックスフォードシャーはニオのドライビング・キャラクターを磨き上げるのに最適な場所だという。

「専門エンジニアと世界クラスのテスト施設を活用しています。また、技術的なスカウティングにも最適です。ここには、他では見られないような開発があるのです」

最近、オックスフォードシャーのエンジニアリング・チームは新型ET9の開発に深く関わっている。全長5325mmの大型高級セダンで、ニオとして初めてステア・バイ・ワイヤとアクティブ・サスペンションを搭載する。

さらに、ニオの新しいサブブランドであるOnvoとFireflyの次期モデルの開発にも携わっているという。Fireflyは2025年に欧州市場を念頭に置いた小型モデルのラインナップで販売を開始する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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