レトロでカッコいい新ミニバン登場? ルノーの名車「エスパス」EVとして復活の可能性

公開 : 2024.04.08 06:05

ルノー・エスパスが電動ミニバンとして復活する可能性がある。EVラインナップの拡大に伴い「検討中」とのこと。フォルクスワーゲンID.Buzzの好敵手となるかもしれない。

ミニバン再注目? しかし課題も

フランスの自動車メーカーであるルノーは、ミニバンとしての「エスパス」の再導入を検討している。EVとして復活するかもしれない。

エスパスは現在、7人乗りのハイブリッドSUVとして欧州で販売されているが、1984年に発売された初代のコンセプト(およびデザイン)に忠実な電動ミニバンが新たに登場する可能性がある。

初代モデルにインスピレーションを得た新型「エスパス」が登場するかもしれない。(編集部作成予想イメージCG)
初代モデルにインスピレーションを得た新型「エスパス」が登場するかもしれない。(編集部作成予想イメージCG)    AUTOCAR

ルノーの中型車向けのアンペア・ミディアム(Ampr Medium)プラットフォーム担当グローバルリーダーであるオリヴィエ・ブロッセ氏は取材で、EVラインナップを拡大していく中で、ミニバンの復活は「検討している」と語った。

「技術的には可能だと思いますが、その後、ミニバン(MPV)が欧州のお客様に受け入れられるかどうかを検討する必要があります」

アンペア・ミディアム・プラットフォームは現在、メガーヌEテックとセニックに採用されている。これをベースに電動ミニバンのエスパスが開発されれば、フォルクスワーゲンID.Buzzのライバルとなるだろう。

同時に、マクサスMifa 7、シャオペンX9、ジーカー・ミックスといった中国ブランドの電動ミニバンへの対抗馬にもなる。ミニバンは中国で大きな需要を抱えるカテゴリーだ。

しかし、ブロッセ氏は、電動ミニバンには技術的課題が伴うことを指摘した。

「我々が抱えている問題の1つは、車両重量が2.0~2.2トンを超えると、技術的な観点から後輪駆動が必須となることです」

彼は、アライアンスパートナーである日産自動車のアリアを例に挙げながら、2000kgを超えると後輪駆動か四輪駆動のレイアウトに切り替えることになると述べた。

しかし、プラットフォームに柔軟性があるため、技術的な制約は必ずしもEVラインナップ拡大の阻害要因にはならないという。

「ルノーには厳格なポリシーはありません。EV用プラットフォームは、内部パッケージングを最適化できるほか、デザインの観点からもより多くの自由を与えてくれます」

新型エスパスは、フランスの高速列車TGVにインスパイアされたボクシーなシルエット、ショートオーバーハング、空力に配慮した急勾配のボンネットとフロントガラスなど、初代モデルの特徴的なデザインに倣う可能性がある。

ルノーは近年、5 Eテックやトゥインゴなどレトロなデザインを積極的に取り入れている。

ルノーはエスパスの復活計画を公式には認めていないが、デザイン責任者であるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は以前、EVラインナップの拡大に伴い、かつての “名車” を多く復活させる可能性を示唆している。

「世の中に不安があふれ、右も左も暗い雲に覆われている今、良い時代、ブランドが生きていた時代について語り、人々のポジティブな感情をかき立てるようなクルマを作るのは、良いことだと思います」

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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