「頼もしい」復調のカギ アルファ・ロメオ・トナーレへ試乗 一貫性や調和が惜しいプラグインHV

公開 : 2024.04.28 19:05

初のモデルとして誇れる完成度 競争力は低くない

乗り心地は、FSDを組んだマイルド・ハイブリッドの方がベター。荒れたアスファルトでも、衝撃を巧妙に均していた。車重が増えることもあって、プラグインでは落ち着きを保つことに若干苦労していた様子だ。

燃費は、プラグイン・ハイブリッドで17.6km/L。高速道路を長距離走るような場面では、11.3km/Lへ落ち込んだ。そのかわり、市街地中心で58kmを電気だけで走れることも確認している。

アルファ・ロメオ・トナーレ 1.3PHEV ヴェローチェ(英国仕様)
アルファ・ロメオトナーレ 1.3PHEV ヴェローチェ(英国仕様)

かくして比較的ハンサムなトナーレは、競争の厳しいCセグメントのSUVとして、低くない競争力を備えた選択肢に仕上がっている。欧州では特に人気カテゴリーの1つといえ、アルファ・ロメオにとっては頼もしい存在に違いない。

インテリアの品質や車内空間、ハイブリッド・パワートレインの一貫性や洗練性など、もう少しを求めたい部分は確かにある。価格設定も、比較的お高めといっていい。

それでもトナーレは、このクラスにおける同社初のモデル。充分に誇れる完成度にある。ダイナミックな魅力では、同様に初めてのSUVとなった、ステルヴィオには届いていないとしても。

アルファ・ロメオ・トナーレ 1.3PHEV ヴェローチェ(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8440ポンド(約916万円)
全長:4530mm
全幅:1840mm
全高:1600mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:71.4km/L
CO2排出量:33g/km
車両重量:1835kg
パワートレイン:直列4気筒1332cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:15.5kWh
最高出力:280ps/5750rpm(システム総合)
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:6速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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