航続距離は約350km? GクラスのEV版、4月24日世界初公開へ! メルセデス・ベンツ新型「G580」年内導入か

公開 : 2024.04.10 06:25

メルセデス・ベンツは4月24日開幕の北京モーターショーで新型EV「G580」を初公開する。GクラスのバッテリーEV版で、これまで「EQG」と呼ばれてきたモデルの市販バージョンとなる。

EQG」改め「G580」として市場投入へ

ドイツの自動車メーカーであるメルセデス・ベンツは、4月24日に中国・北京で開幕するモーターショー「オート・チャイナ」において、新型電動SUVの「G580」を公開する予定だ。

新型G580は、これまで “EQG” と呼ばれてきたGクラスのバッテリーEV版である。名称を変更し、今年後半に導入される見込みだ。

2021年に公開されたメルセデス・ベンツ「コンセプトEQG」
2021年に公開されたメルセデス・ベンツ「コンセプトEQG」    メルセデス・ベンツ

なお、オート・チャイナではAMG GTの新しいPHEVモデルと改良新型EQS、そしてコンセプトCLAクラスも出展予定だ。

G580は、2021年のミュンヘン・モーターショーで「コンセプトEQG」として初めて公開された。翌2022年にはプロトタイプが披露され、弊誌もメルセデス・ベンツのエンジニアの運転のもとで同乗試乗したが、非常に高いオフロード性能を発揮していた。

仕様詳細はまだ明らかではないが、約100kWhのバッテリーを搭載し、エネルギー効率(電費)は100kmあたり27.7~30.3kWhになると言われている。これを基に計算すると、1回の充電での航続距離は約320~350kmと予想される。

G580は、1979年以来メルセデス・ベンツのSUVを象徴してきたGクラス(ゲレンデヴァーゲン)の歴史において初の完全電動モデルとなる。なお、今年3月末には、現行型Gクラス(W463/464)にマイルドハイブリッドが初めて導入された。

Gクラスを凌駕するオフロード性能を実現か

G580は従来のスチール製ラダーフレームシャシーを改良し、新しい電動パワートレインに対応させる。生産はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社が行う予定だ。

Gクラス・シリーズの責任者であるエメリッヒ・シラー氏によると、内燃エンジン車と同様、ラダーフレームシャシーとボディは8点で接続されているという。

メルセデス・ベンツG580のプロトタイプ(2022年)
メルセデス・ベンツG580のプロトタイプ(2022年)    メルセデス・ベンツ

2022年公開のプロトタイプでは、これまでのGクラスと同じスクエアなエクステリアデザインが確認されている。新しいフロントバンパーやグリルなど、ディテールはEV独自の仕上がりとなるようだ。

充電ケーブルは、テールゲート(通常、スペアタイヤがある位置)に配置されたロック付きのボックスに収納することができる。

4基の電気モーターを搭載し、個別に制御することでその場で旋回できる「Gターン」という機能も備わる。オフロード性能を重視しており、デファレンシャル・ロックを模した制御も可能だ。

加速力などの性能はまだ明らかにされていないが、高性能のAMGバージョンを含めて複数のモデルが用意されるという。

過酷な条件下でも安全性を確保するため、バッテリーは頑丈な密閉ケースに収められており、深い水深でも走行できる。バッテリーをフロア内に搭載することで、従来のGクラスよりも低重心を実現したとされる。

シラー氏は2022年当時、車両重量について「どのEVにも言えることですが、重量は課題です。まだ最終的な数字は出ていませんが、3500kgを下回ります」と述べていた。

プロトタイプのサスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアにトレーリングアームを採用していた。総合的なオフロード性能は従来のGクラスと同等で、状況によっては凌駕することもあるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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