2024年版 人も荷物もたくさん運べる「7人乗りモデル」 10選 欧州ファミリーカーの知られざる魅力
公開 : 2024.04.21 18:05
4. フォルクスワーゲン・マルチバン
長所:フレキシブルなインテリア、広い室内空間、長距離走行も快適
短所:電気のみの航続距離は改善の余地あり、比較的高価、扱いにくいインフォテインメント
SUV主流の中、欧州ではミニバン(MPV)の影がすっかり薄くなってしまったが、フォルクスワーゲンのように新型車を投入し続けるブランドも少なからず存在する。新型マルチバンは、他の追随を許さない広さと多用途性を持つ「車輪のついた箱」である。
非常にフレキシブルなインテリアに、成熟したドライビング・ダイナミクスと高級感を組み合わせており、ファミリーカーとして合理的な選択肢となっている。
フォルクスワーゲンはこれまで商用車ベースのカラベルなどを販売してきたが、洗練性に欠ける一面も多く見られた。しかし、最新モデルのマルチバンは乗用車でおなじみの「MQBプラットフォーム」をベースに開発され、驚くほど正確なコントロール性と、従来では考えられなかった快適な乗り心地を実現している。
MQBプラットフォームの採用により、1.4Lガソリンエンジンと電気モーターによるシリーズ初のPHEVモデルが登場した。合計出力218ps、電気のみの航続距離は50kmとされている。従来のガソリンモデルとディーゼルモデルもある。
最大の特徴はインテリアだ。その広さとモジュール性により、あらゆるニーズに簡単に適応できてしまう。大人7人が快適に座れるだけのスペースがあり、後部座席はスライド、リクライニング、折りたたみ、回転が可能だ。
移動可能な多目的収納コンパートメントや、軽食に最適な折りたたみ式テーブルなども魅力的だ。さらに欧州車としては珍しく、両側スライドドアを備えている点も見逃せない。
魅力が多く詰まっている分、価格は安くない。右ハンドルの英国仕様では5万ポンド(約950万円)弱からスタートし、上位モデルは6万ポンド(約1150万円)を超える。
5. ランドローバー・ディフェンダー130
長所:8人乗り、本格的なオフロード性能、魅力的なハンドリング
短所:高価な価格設定、信頼性に疑問あり、巨大
ランドローバー・ディフェンダーのロングモデル「130」は、確かに高価ではあるが、最大8人乗りという他社にはない魅力を持つ。
標準的なディフェンダー110では5人乗り、6人乗り、7人乗りから選ぶことができるが、ロングボディのディフェンダー130では「2+3+3」の構成で8人乗りが可能だ。
ちなみに英国では、法律上の理由から運転席と助手席の間にジャンプシートを入れることができない。その制約がなければ、9人乗り(3+3+3)も可能だったろう。
いずれにせよ、素晴らしい多用途性を持っていることに変わりはない。8人乗車時でも400Lのトランク容量を確保しており、非常に使いやすいが、全長5358mmもあるので街中での取り回しには苦労する。
7万ポンド(約11340万円)からと高価であるが、高い動力性能、最新の電動パワートレイン、そして本格的なオフロード性能を備えている。ボディサイズと価格を許容できるのであれば、ファミリーカーとしてこれ以上の高級SUVはない。