2024年版 人も荷物もたくさん運べる「7人乗りモデル」 10選 欧州ファミリーカーの知られざる魅力

公開 : 2024.04.21 18:05

6. キアEV9

長所:大胆なルックス、多彩なインテリア、長い航続距離
短所:ライバル車より大きい、質感が価格にやや見合わない、EVのため万人向けではない

EVでも7人乗りモデルが台頭し始めているが、キアEV9は現時点でトップクラスの実力を備えている。

6. キアEV9
6. キアEV9

満車の駐車場でも見つけるのに苦労することはないだろう。いわゆる「フルサイズ」のSUVで、レンジローバー・スポーツやBMW X5ポルシェカイエンなどとほぼ同じサイズ感である。大きな氷の塊から削り出したような直線基調の大胆なルックスは、抜群の存在感を放つ。

EVならではのパッケージによりインテリアの汎用性も高く、シートレイアウトは6人乗りと7人乗りが選べる。6人乗り仕様では、メルセデス・ベンツVクラスのように2列目シートが回転式の「キャプテン」チェアとなるが、7人乗仕様では3人掛けベンチシートとなる。

3列目シートは、小柄な大人や子供用ブースターシートには十分な広さで、後席5席のうち4席にIsofix(アイソフィックス)ポイントが装備されている。3列目は電動で格納・展開する。5人乗車時は非常にゆとりのある居住空間が生まれる。

バッテリー容量は99.8kWh。最高出力200psのシングルモーター・後輪駆動モデルのWLTP航続距離は560km。メーカー公称値のエネルギー効率(電費)は4.8km/kWhだが、弊誌の実走行テストでは4.5km/kWhと非常に近い数値を達成した。

ツインモーター・四輪駆動モデルのWTLP航続距離は505kmとされる。弊誌の長距離走行テストでは、110km/hで417kmを記録した。市街地メインでは480kmを達成できると予想される。

7. プジョー5008

長所:目を引くエクステリア、洗練されたディーゼルエンジン、高い質感
短所:静粛性は高くない、特異なコックピットデザイン、まもなく新型車が発売

車名に「00」がつくプジョーのSUVシリーズで最上位に立つ5008は、スペースを最大限に活用している点で特筆に値する。フラッグシップとはいえミドルサイズSUVであり、今回紹介する10台の中では小さい部類に入るが、チャイルドシートの取り付けやすさなど、さまざまな美点がある。

7. プジョー5008
7. プジョー5008

3人掛けの2列目シートはベンチ式ではなく独立式で、スライドと折りたたみができるほか、すべてにIsofixポイントが備わっている。真ん中の席を前方にスライドさせれば、かさばるブースターシートも3つ並べられるかもしれないが、少々窮屈になるだろう。

3列目シートは子供が座れる程度の大きさしかないが、2列目を前にスライドさせてスペースを確保すれば、小さなチャイルドシートを乗せることができる。

パワートレインのラインナップも豊富で、ハンドリングに優れ、街中でも扱いやすいサイズに収まっている。

なお、5008は今年3月にフルモデルチェンジが発表された。新しいハイブリッドモデルやEVモデル「e-5008」も登場し、内外装のデザインも大きく変わった。本稿執筆時点ではまだ試乗できていないが、新型車の実力に期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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