BMWの屋台骨がモデルチェンジ間際! 次期「X3」の試作車へ試乗 ノイエクラッセXと差別化

公開 : 2024.04.20 19:05

プラグインHVは大幅に能力向上

xドライブ30eは、改良を受けた2.0L 4気筒ターボに駆動用モーターが組まれ、駆動用バッテリーは18.9kWhから増量される。ガソリンを燃やさず走れる距離は59km伸び、システム総合での最高出力も強化される模様。

パワートレインは、発進時からとても静かで滑らか。粘り強く、市街地でも郊外でも上質な走りに浸れる。駆動用モーターは力強く、アクセルペダルを踏み込むと鋭く速度を高めていく。

BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)
BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)

スポーティなM50 xドライブに載るエンジンは、現行のX3 M40i xドライブの改良版。B58型と呼ばれる3.0L直6ターボの新仕様で、最高出力は400馬力以上が想定される。

動力性能は、xドライブ30eより間違いなく強力。特有の個性もあり、0-100km/h加速は4.8秒を下回るとか。X3 Mコンペティションが更新されるまでの間、4代目X3の頂点に立つだけの頼もしさがあり、電子制御のMデフも標準装備とのこと。

サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。スチールスプリングが支える。トレッドを広げ、アンチロールバーやリアアクスルの固定ポイントが強化されたという。

通常のタンパーが標準だが、オプションでアダプティブダンパーも組める。M50 xドライブの場合、ストラットタワーバーでフロントアクスルの剛性を高め、キャンバー角も寝かされる。

パワーステアリングには、新しくベルト駆動のシステムを採用。ホイールは、18インチから21インチまで選べるそうだ。

乗り心地と姿勢制御を向上 エンジンが重要な役割

これらの改良により、ステアリングフィールは改善。正確な反応と、一定の重みづけを得ている。また姿勢制御を引き締め、旋回時のボディロールを抑えつつ、乗り心地も同時に良くなっていることを確認した。

特に、アダプティブダンパーの制御は優秀。衝撃を巧みに吸収していた。運転体験は、従来よりさらに洗練性を増した印象。M50 xドライブには専用仕様のスポーツ・サスペンションが組まれ、走りの魅力を高めていると感じた。

BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)
BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)

今回試乗したのは、あくまでも試作車。かなりの距離のテストにかけられ、望ましい状態とはいえなかったはず。次期X3の実際を確かめるには、2024年後半の量産仕様を待つしかない。

BMW X5とシステムを共有するという、運転支援システムにも興味は湧く。無線アップデートに対応し、高速化されたインフォテインメント・システムと相乗することで、一層モダンな体験が提供されることだろう。

確かに、BMWは電動化への未来を着実に進んでいる。しかし、バイエルンのエンジンメーカーらしく、もうしばらくは直列4気筒と6気筒ユニットが重要な役割を担うことになりそうだ。

BMW X3 M50 xドライブ(プロトタイプ)のスペック

英国価格:6万8000ポンド(約1306万円/予想)
全長:4755mm
全幅:1920mm
全高:1660mm
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:4.6秒(予想)
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:1905kg
パワートレイン:直列6気筒2998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:401ps(予想)
最大トルク:50.9kg-m(予想)
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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