【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
公開 : 2024.04.18 17:45
小さい子供はいるが、クルマもチャイルドシートもあまりよくわからない。そんな方にこそ是非読んで欲しい記事です。違法チャイルドシートがいかに危険か、危険すぎる商品とECサイトの対応を記載します。
もくじ
ー日本では安全基準を満たさないチャイルドシートの出荷は禁止されている
ー楽天市場で販売されていた恐ろしい布製チャイルドシートとは?
ー違法チャイルドシートに高評価?
ーそもそも取り扱い禁止に指定されている
ー購入者は今すぐ使用をやめて返金を求めるべし
日本では安全基準を満たさないチャイルドシートの出荷は禁止されている
現在は多くのサイトが販売中止としているが、楽天市場では4月9日頃までほぼクッションのような布製チャイルドシートが販売されていた。
日本で流通できるチャイルドシートは国連欧州基準【UN/ECE】に適合した製品だけであり、ECE R44/04(旧基準)やECE R129に適合した製品には通称「Eマーク」と呼ばれるシールが貼られている。購入する際はこのEマークを大前提として、クルマとの取付けが正しくできるかどうかの適合を確認して選ぶことになる。
ちなみに日本でチャイルドシートの着用が義務化されたのは2000年4月のこと。警察庁とJAFの調査によると未だに装着率は0~5歳全体で7割強、ジュニアシート世代となる5歳においては5割前後と非常に低くなっている。
また、ドイツをはじめとした欧州各国が10~12歳、身長150cmまで着用義務としているが、日本はいまだに5歳までで身長基準はなし。後席シートベルトが正しく着用できる身長145~150cmまではジュニアシートを着用するべきだがなかなか浸透しない。小学生になったらチャイルドシートは卒業というイメージか?
その結果、日本では近年、自動車乗車中にジュニアシートやシートベルトを正しく着用しないことで年間1万人以上の小学生が死傷している。
日本で流通できるのはいわゆるEマークがついている製品となるわけだが、2012年7月1日からはECE R44、2023年9月1日からはECE R129に適合した製品だけがメーカーや輸入業者からの出荷が許される。
R44製品は旧基準となり生産終了となっているが、在庫があるうちは新品での販売も可能である。
楽天市場で販売されていた恐ろしい布製チャイルドシートとは?
今回、楽天などのECサイトで大量に販売されていたチャイルドシートは、もちろんどこの国の安全基準も満たしていない危険過ぎる商品だ。なぜこんなものが大手通販サイトで販売されていたのか?
実はこの違法チャイルドシートの販売はいまに始まったことではない。もっと前からあったかもしれないが、筆者は2015年にアマゾンで販売されていた違法商品2種を検証用に購入している。
安全基準を満たしていない製品がどのようなものなのか? 値段はいずれも3000円前後であったが、見た目からして「ヤバさ」がすぐわかる。ほとんどクッションかシートカバーか? というつくりで説明書に日本語はなく中国語のみ。もちろんEマークもなし。そして、筆者のところには2017年と2020年にアマゾンから返金の連絡があった。
アマゾンがリコール&返金に動いたきっかけのひとつが、2017年に国交省が「未認証チャイルドシート」の危険性を公表したことだ。国交省は市販されている7製品を購入して検証を行っており、すべてが国の安全基準に適合していないことを確認。
動画では衝突の衝撃でいとも簡単に違法商品のベルト部分がちぎれて座っていた子どもがシートから放り出される様子がわかる。実際の事故であれば車外に放り出されて地面にたたきつけられて死亡…という最悪の結果となる可能性もある。
この動画がきっかけで以降は危険な布製チャイルドシートは各通販サイトから姿を消した。が、しかし間もなく楽天でもアマゾンでも販売が再開されており、以降は指摘を受けて販売中止→1~2年後に販売再開→再び販売中止→販売再開…を繰り返す状況となっていた。