モーガン・プラスシックス 詳細データテスト 操縦性はクラシックとモダンの中庸 侮りがたい動力性能
公開 : 2024.04.20 20:25 更新 : 2024.04.21 11:34
意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
接着剤とリベット組み上げたアルミスペースフレームを、モーガンはCXプラットフォームと名付けた。CXとは、自社の110周年を、ローマ数字的に表記したものだ。ただし、アルミのボディパネルはアッシュウッドのフレームに取り付けられる。モーガン特有の曲線を生み出すには、木材がベストな素材だというのが理由だ。剛性は、すべてシャシーが担う。
パッと見、4気筒のプラスフォーも6気筒のプラスシックスも変わりないように映るかもしれないが、プラスシックスのほうがワイドだ。それも、単にトレッドを拡げただけではなく、キャビンの広さも増している。拡大されたホイールサイズも、プラスシックスの識別点だ。
エンジンはBMW製で、プラスフォーが2.0LのB48、プラスシックスが3.0LのB58だ。B58は230iやM240iに搭載される直6ユニットだが、モーガン向けはややデチューンされている。
この数年で、大幅な改良は2度行われている。まずは2021年、フードを扱いやすく再設計し、オプションにコンフォートプラスシートやスポーツエキゾーストを追加。USBポートの増設も可能になった。次に2023年、インテリアの改修と、シャシーの大規模な改良を実施した。
サスペンションは以前と同じく前後ダブルウィッシュボーンだが、ダンパーとブッシュは変更され、よりしなやかに。フロントブレーキもアップグレードされてAPレーシング製を採用し、ディスク径は315mmから332mmに拡大した。
さらに、コンチネンタルと共同で、トラクション/スタビリティコントロールシステムを開発。ローンチ時から装備されていたABSに加えて装備された。しかも、ダッシュボードを手直しして左右エアバッグを搭載。現代のモーガンは、安全性も高まっている。