モーガン・プラスシックス 詳細データテスト 操縦性はクラシックとモダンの中庸 侮りがたい動力性能

公開 : 2024.04.20 20:25  更新 : 2024.04.21 11:34

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

モーガンの愛好家ならば、星5つという評価に反論があるだろう。古き佳きブリティッシュロードスターとはこういうものだというかもしれない。しかし、BMW Z4ポルシェ718ボクスターから乗り換えたユーザーなら。プラスシックスの快適性に衝撃を受けるはずだ。

以前より出し入れしやすくなったとはいえ、やはりフードは扱いづらい。キャッチが必ずきちんと並ぶことはなく、たたみ方も折り目が決められてしまっている。これを見ると、シンプルで超ユーザー思いなマツダロードスターのフードのありがたみを痛感する。

現代の基準で言えば、快適性は低い。しかし、この手の軽量ロードスターとしては上出来な部類だ。
現代の基準で言えば、快適性は低い。しかし、この手の軽量ロードスターとしては上出来な部類だ。    JACK HARRISON

ファブリックも薄く、ロードノイズや風切り音が盛大に侵入してくる。113km/hでの室内騒音は、風の強い日だったにもかかわらず、オープンにしたほうがマシだったほどだ。

サイドスクリーンは取り外し式だが、取り付けていても隙間風は吹き込み、豪雨に遭えば防水性の怪しさも露呈する。エアコンは窓の曇りを十分に防いでくれて、ヒーターは強力だが、送風口はセンターコンソールにふたつだけで、左手は温めてくれるが、右手は隙間風にさらされて熱を奪われる。

そうはいうものの、高速での乗り心地やシートはおおむね快適で、少なくともルーフやヒーターがあり、オプションでオーディオも装着できる。アリエル・アトムやケータハムのように、長距離ツーリングや日常使いでひどく我慢を強いられることはない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / アートワーク

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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