まるで違う「装甲」性能 7シリーズ・プロテクション 爆弾15kgにも耐える! BMWの特別プログラムを体験(1)
公開 : 2024.04.27 09:45
車重は同等のi7 xドライブ60より1600kg以上重い
「このBMWは、主に都市部での利用を想定して開発しています。優れた洗練性と乗り心地を提供しますよ」。と説明するのは、BMWプロテクション・プロダクトのマネージャー、アクセル・スタナー氏だ。
そして続ける。「もちろん妥協はありません。通常の760i xドライブと変わらないパフォーマンスを提供します」
バッテリーEVのi7 プロテクションも、通常のi7の開発当初から想定されていたという。こちらは通常のボディを改造したものではなく、独立したラインナップの1つとして用意される。
車重は、同等のi7 xドライブ60より1600kg以上も重い。合計543psを発揮する2基の駆動用モーターを搭載し、航続距離は最長379km。防弾なかわりに、244kmも走れる距離は短くなる。
軽度な装甲では、ドラグノフの弾丸をドアパネルでは受け止めきれないそうだ。車内にいる乗員の体を貫いてしまう。
しかし、BMWのプロテクションなら問題なし。ドイツ・ミュンヘンの担当庁で実施されたテストでは、ボディパネルだけでなく、ドアの継ぎ目やウインドウへ意図的に繰り返し連射しても、充分な防御性を有することが証明されたという。
可能な限り通常の7シリーズと同じ容姿を維持
クルマとして、装甲対策はボディやウインドウまわりだけに留まらない。i7プロテクションの場合、容量101.7kWhの駆動用バッテリーは、ボディ底面側が強化されている。
760iプロテクションでは、530psを発揮する4.4L V8ツインターボ・ガソリンエンジンを搭載するが、弾丸などによる損傷を自動的に修復する、専用の燃料タンクを実装。ガソリン漏れを防ぐという。運転支援システムも、専用チューニングとのこと。
これだけの装備が搭載されれば、かなり物々しい見た目になりそうだが、そうではないことも特徴。プロテクション仕様の容姿は、通常の7シリーズと可能な限り同じように仕上げられている。
ホイールアーチの造形など、僅かに必要な改良は加えられている。しかし、一般の人には見分けがつかないかもしれない。筆者が眺めても、殆ど変わりないと感じた。
この続きは、BMWの特別プログラムを体験(2)にて。