アルファ・ロメオ 車名に “ケチ” つけた政治家へ苦言「名前より雇用守る努力をせよ」 中国企業に危機感

公開 : 2024.04.22 18:05

中国メーカーの進出に警鐘「大惨事の始まりに過ぎない」

アルファ・ロメオは、中国自動車メーカーの急成長に危機感を抱いている。

新型ミラノの発表時、ステランティスはイタリア当局に対し、中国企業による国内でのバッテリーおよび自動車生産を奨励するインセンティブを導入しないよう呼びかけた。

アルファ・ロメオは中国メーカーの欧州進出に警鐘を鳴らしている。
アルファ・ロメオは中国メーカーの欧州進出に警鐘を鳴らしている。

インパラートCEOは、欧州の政治家たちは、欧州に生産拠点を拡大しつつある中国自動車メーカーの脅威の高まりにもっと目を向けるべきだと示唆し、ステランティスだけでなく業界全体にとって将来的なリスクになると述べた。

「MG(英国発祥ブランド、現在は中国SAIC傘下)がスペインで1万6000ユーロのクルマを発売しているのを見ると、多額の現金を失っているのは確かですが、それでも資金は潤沢です」

テスラは1万ユーロ以上の値下げをし、欧州での利益率を18%から7~8%に落としています。中国にいるドイツの競合他社の中には、40%の値引きをしているところもあります。このような状況の中で、1台1台の総生産コストについてしっかりと考えなければなりません」

「2種類の人間がいます。 “動かなければならないことを理解している者” と “動かなければならないことを理解していない者” です。毎週毎週、何人もの大物たちから『あきらめるしかない』という声が聞こえてきます。これは大惨事の始まりに過ぎません。彼らはドアを開けて『やあ、ようこそ』と言う。しかし、彼らは単独で来るとは思ってはいけない。サプライヤーと一緒に来るでしょう」

インパラートCEOは、欧州の自動車産業では1200万人が働いており、市場シェアの1%(約15万台)が競合他社に奪われるだけで1つの工場の存続が危ぶまれると指摘する。

「ミラノの名称を変えることはできます。しかし、市場シェア1ポイントにつき、15万台、1工場です。この工場には従業員がいますし、サプライヤーを含めれば、影響は計り知れません」

記事に関わった人々

  • ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事