2024年版 乗り心地が良すぎて昇天する最新「高級車」 10選 羨望のラグジュアリーカー

公開 : 2024.04.28 18:05

2. メルセデス・ベンツSクラス

長所:ディーゼル、ガソリン、PHEVのパワートレインはどれも素晴らしい。
短所:かつてはロールス・ロイスに挑む快適性だったが、今は違う。

BMWは最新の7シリーズで一世を風靡しているが、メルセデス・ベンツのSクラスも依然として高級車の定番である。2020年に登場した最新型は、これまで以上にデジタル化が進んでいる。

2. メルセデス・ベンツSクラス
2. メルセデス・ベンツSクラス

デジタル化という点では間違いなく成功している。室内は保守的でありながらアヴァンギャルドな雰囲気がありあり、巨大なディスプレイも競合他社に見られるような無機質さを感じさせない。アンビエントライトの使い方とコネクティビティの導入も実にうまい。

室内は、ドライバーにとっても同乗者にとっても、快適でくつろげる空間となっている。また、フロントグリルの大型化が流行っている現代において、Sクラスの比較的繊細なエクステリアデザインには好感を抱く人も多いはずだ。

Sクラスのガソリン、ディーゼル、ハイブリッドの各種パワートレインにも、ほとんど文句のつけようがない。ラインナップは販売地域や在庫状況によって変動する傾向があるが、48Vマイルドハイブリッドのガソリンエンジンも選択できる。

ディーゼルは経済的かつスムーズで、「S400d」は求められる性能をすべて備えている。ガソリンベースのPHEV「S580e」では最高出力510psを発生し、電気モーターのみで103km走行可能だ。

Sクラスに求められる価値観と先進性を併せ持つが、しかし、一部では進歩がやや停滞しているようにも感じられる。S580eのパワートレインは、効率性と多用途性において新しい基準を打ち立てたが、室内の静粛性と洗練性、乗り心地は以前と大きく変わらない。

かつて超高級車ロールス・ロイスに挑んでいた頃もあったが、今や両者の間には明白な隔たりがある。新型Sクラスは素晴らしい高級車だが、もはや息をのむほどではない。

3. BMW iX

長所:世界トップクラスの洗練性と高級感
短所:最高出力540psの「M60」はやりすぎ

これまで「高級車」といえば大排気量エンジンを積んだ3ボックスのセダンが定番だった。BMW iXはセダンではなく、内燃機関も搭載していない。実質的には、BMW i7のわずかに背の高いバージョンと言える。高級感ではやや劣るが、実用性では上だ。

3. BMW iX
3. BMW iX

BMWの「i」ブランドのフラッグシップモデルであるiXについて、試乗した弊誌記者は「他に類を見ないBMW」と評した。評論家の中には、エクステリアデザインに眉をひそめる人もいる。いずれにせよ、あえて波紋を意図したデザインであることは間違いない。電動化を成し遂げようとするBMWが、転換点として全身全霊を捧げたクルマがiXだ。

標準グレードの「xドライブ40」は最高出力300psと航続距離400km(欧州WLTPサイクル)を誇る。中間グレードの「xドライブ50」では最高出力523ps、航続距離600kmに向上し、200kWの急速充電に対応する。最上位グレードの「xドライブM60」もあるが、中間グレードでも十分なパワーを持っているため、これ以上性能を高める必要があるとは思えない。

弊誌の比較テストでは、快適性においてメルセデス・ベンツEQSセダンより一枚上手だった。EQSセダンも快適だが、iXの乗り心地の良さと洗練性は抜群で、非常に魅力的な高級車である。また、近年のメルセデス・ベンツは先進性重視の未来志向だが、BMWは個性的で親しみやすさがあり、堅苦しくないテイストとなっている。

SUVならではの広さと汎用性の高さも特徴だ。深くくつろげる控えめな高級感、そして世界トップクラスのロール制御とドライバビリティ、痛快なパフォーマンス、実走行でも十分な航続距離を兼ね備え、他の電動SUVの追随を許さない。iXは高級車として、高い完成度を誇るモデルだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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