ミニ・カントリーマン 詳細データテスト ミニらしく活発 SUVらしからぬタイトな挙動 車体は大柄
公開 : 2024.04.27 20:25
内装 ★★★★★★★★☆☆
フルサイズのファミリーカーとして成立させなければならないカントリーマンが、妥協を強いられたのはサイズだけではない。ハッチバックは脚を伸ばして低めに座るのに対し、カントリーマンの着座位置は明らかに高めで、脚を曲げて座る姿勢をとる。これによって、後席のスペースも稼いでいる。エルゴノミクス的には、ミニ的とは言い難い。
ステアリングホイールは中くらいのサイズで、一般的なメーターパネルはない。その代わりに、メーターとマルチメディアのグラフィックはセンターの円形インフォテインメントディスプレイに投影される。そのサイズは、だいたいディナープレートくらいだ。
OLEDディスプレイは、ほかより明るく鮮明だとミニは自慢する。そのデザインは、サー・アレック・イシゴニスが産んだ、オリジナル・ミニのスミス製センターメーターへのオマージュだ。
とはいえ、かつてのセンターメーターよりはかなり大きい240mm径で、操作は画面タッチか音声認識で、実体カーソルコントローラーは備えていない。とくに明るく洋式化されたモードもあるが、夜は視界を邪魔してしまうこともある。
ナビ画面などのないメーターだけにしたい場合は、ディスプレイ上部をタップすれば、デジタルのダイヤルメーターがフルスクリーン表示となる。
テスラ・モデル3やボルボEX30とは違って、ヘッドアップディスプレイも採用。自然な視線の近くに必要性の高いデータを掲示できるので、路面から目を離さずに情報確認できる。操作性を大きく高めてくれるので、できればオプションではなく標準装備にしてほしい。
マテリアルのリッチさやスタイルでも、ミニはいい仕事をしている。ダッシュボード上部はコストのかかるモールド部材に代えてリサイクル素材のニットを張っているが、見栄えがよくて目新しくもある。
後席は大人でも満足の広さだが、前席シートバック上部のモールドプラスティックがちょっと目障り。おそらくここは、オプションでタブレットホルダーをつけるためにそうなっているのだろう。
荷室へは、ほぼ垂直のハッチバックからアクセスする。450Lの容量は十分に実用的だが、X1やマツダCX-5といった、競合モデルには及ばない。