キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介

公開 : 2024.04.24 18:05

ズィッケ・ライン

「ドアと窓が接するベルトラインの下にあり、フロントライト上部からリアライトまで続くズィッケ・ライン(Sicke line)は、特に曲面に強度を与える折り目です」

「このラインが初めて登場したのは1950年代半ばのことで、当時のBMWの特徴であった張りのあるボディ表面に精密な印象を加えていました」

サイドのキャラクターラインは「ズィッケ」と呼ばれる。
サイドのキャラクターラインは「ズィッケ」と呼ばれる。

「1970年代に入り、デザイン責任者のポール・ブラックと彼の後継者であるクラウス・ルーテが、ズィッケ・ラインをBMWデザインの統一的な特徴として定着させたのです」

「1980年代から1990年代にかけて、BMWの主力製品にはすべてズィッケ・ラインが採用されました。BMWがいろいろと試し始めたのは2000年代に入ってからで、ズィッケ・ラインのないクルマも増えています」

ホフマイスター・キンク

「一部モデルのリアピラーの上向きに曲がった形状は、おそらくBMWで最も有名なディテールでしょう。当時のBMWのデザイン・マネージャーにちなんで名付けられたものです」

「ホフマイスター・キンクは1960年代初頭に3200 CSクーペとノイエ・クラッセの4ドア・セダンでデビューしました。しかし、BMWは強くこだわってはいません。例えば、現行の4シリーズ・クーペにはホフマイスター・キンクは採用されていません」

ホフマイスター・キンクはダイナミックな印象を与えるアイコンである。
ホフマイスター・キンクはダイナミックな印象を与えるアイコンである。

「BMWのチーフデザイナーであるエイドリアン・ファン・ホーイドンクはかつてわたしにこう言いました。『BMWは喜んで過去を再燃させるが、炎を崇拝することはない』とね」

BMWのラウンデル

「BMWの人々にとって、バッジとその装着についての会話は何時間にも及ぶかもしれません」

「ラウンデルは常にボンネットの中央に付けられていますが、初代CSL、昨年の限定モデルである3.0 CSL、そして生産終了したばかりのX2の3車種ではリアピラーにも付けられています」

デザイナーは、ラウンデルがなくても「BMW」だとわかるよう求められているという。
デザイナーは、ラウンデルがなくても「BMW」だとわかるよう求められているという。

「デザイナーは、バッジがなくてもBMWとわかるようにするべきだと言われているんです」

「あるデザイナーは昨年、自分のコンセプトカーにラウンデルを付ける寸前まで行きましたが、かなり後の段階で『ダメだ!』と言われました」

L字型リアライト

「この古典的なデバイスは、1980年代半ばに登場しました。当時新米エンジニアだったヴォルフガング・ライツレが開発中のE32型7シリーズを見て、そのナローボディに愕然とし、幅を広げるべきだと主張したことから生まれました」

「そこでデザイナーは、4灯式ヘッドライトでワイド感を強調し、リアには一体型のトランク・スポイラーと、端が上向きになったL字型のライトを追加しました」

L字型リアライトはボディのワイド感を強調するものだ。
L字型リアライトはボディのワイド感を強調するものだ。

「BMWのリアライトのスタイルは進化を続けています。昨年のビジョン・ノイエ・クラッセ(コンセプトカー)では、E32型7シリーズの斬新な一体型トランク・スポイラーを表現する方法として、リア・スポイラーを形成しています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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