キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介

公開 : 2024.04.24 18:05

レガシー・カラー

BMWが時折使用する鮮やかなオレンジは、ガルウィングを持つ1972年のショーカー、E25ターボで初めて登場しました。1970年代のBMWのチーフデザイナー、ポール・ブラックのアイデアでした」

「当時BMWの販売担当副社長だったボブ・ルッツは、BMWのスタイルを世間に認知させるショーカーを求めていました。彼は、鮮やかなセーフティ・カラーを持つセーフティ・カーというスタイルを提案したのです」

BMWに時折見られるオレンジカラーは「セーフティ・カラー」だという。
BMWに時折見られるオレンジカラーは「セーフティ・カラー」だという。

「ブラックはルビーレッドのポルシェ356を所有しており、BMWのボディをその色に、フロントとリアを鮮やかなボルカニック・オレンジに塗装していました。これは、彼のオフィスの近くにあるフランス空軍基地の練習機の翼端が蛍光オレンジだったことにインスパイアされた “セーフティ” カラーだそうです」

iDriveコントローラー

「iDriveコントローラーは導入当初、多くの人に批判されましたが、すぐに高く評価されるようになりました。そのルーツはBMWが人間工学へのこだわりを強めていた1970年代に遡ることができます」

「ドライバーの集中力が鍵であり、この時期に登場した特徴の1つが、目に優しく非常にクリアなオレンジ色の計器類でした」

iDriveコントローラーは現在、第8世代まで進化した。
iDriveコントローラーは現在、第8世代まで進化した。

「昨年のビジョン・ノイエ・クラッセ・コンセプトは、iDriveの抜本的な改革を特徴としています。BMWの『手はハンドルに、目は道路に』という哲学に沿って、ステアリングホイール付属のコントローラーで操作するフルワイドのヘッドアップ・ディスプレイをフロントガラス底部に組み込むことで、大きな飛躍を遂げました」

ダブル・テーマ

「BMWのMモデルには、2本アームのドアミラーやダブルスポークのホイールがよく採用されています。このアイデアは、BMW Mデザイン・スタジオの元責任者でデザイナーのマーカス・シリングが発祥です」

「Mデザインの特徴を考案しようとしていた彼は、Mモデルがダブルのエグゾーストパイプによって差別化されていることに気づきました。これをきっかけに、他の車種でも “ダブル” テーマを採用することになったんです」

サクスティ氏の書籍案内

多くのMモデルには「ダブル」のデザインテーマが採り入れられている。
多くのMモデルには「ダブル」のデザインテーマが採り入れられている。

スティーブ・サクスティ氏の新著『BMW by Design』と『BMW Behind the Scenes』は、過去、現在、未来のBMWがどのように作られたかを検証するものだ。本書に掲載されている未公開画像の多くは、BMWデザインのアーカイブの奥深くで2年間かけて収集された、サクスティ氏のリサーチによるものである。詳しくは stevesaxty.com/bmw をご覧ください(英文)。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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