期待どおり!「熟成」ワゴン 新型フォルクスワーゲン・パサートへ試乗 巨大モニターは必要?

公開 : 2024.05.10 19:05

滑らかな1.5LマイルドHV 受け継がれた強み

最高出力150psを発揮する、1.5Lのマイルド・ハイブリッドは滑らか。7速デュアルクラッチATも同様だ。ステアリングは、条件を問わず正確に反応する。ドライバーの気持ちを刺激することはないものの、パサートとして、これが正解だろう。

エンジンはスルスルと回転し、1572kgのボディを不足なく走らせる。ただし、高速域では少し息苦しく感じられ、第一級の洗練性を備えるわけではない。積極的に回りたがるユニットでもない。

フォルクスワーゲン・パサート 1.5 eTSI 150 R-ライン(英国仕様)
フォルクスワーゲン・パサート 1.5 eTSI 150 R-ライン(英国仕様)

姿勢制御は一貫して安定。サスペンションはやや硬めながら、乗り心地はしなやかで落ち着いている。DCCプロと呼ばれる、オプションのアダプティブダンパーが、質感を引き上げていることは明らかだ。

9代目へ進化しても、従来どおり熟成された仕上がりにある、ステーションワゴンのパサート。プレミアム・ブランドのユーザーを引き付けるのにも不足ない、インテリアの上質感やデジタル技術も魅力だろう。

優れた実用性や快適性など、基本となる強みも受け継がれている。合理的なフォルクスワーゲンのクルマ作りは、2024年も健在のようだ。
 
◯:実用性に長けた車内空間 洗練されたインテリア 一層向上した快適性
△:内燃エンジンの選択肢が限られる 内装の一部に見られる安っぽい素材 大画面はドライバーの集中力を削ぐ可能性アリ

フォルクスワーゲン・パサート 1.5 eTSI 150 R-ライン(英国仕様)のスペック

英国価格:4万8440ポンド(約916万円)
全長:4917mm
全幅:1849mm
全高:1497mm
最高速度:222km/h
0-100km/h加速:9.2秒
燃費:17.8-18.5km/L
CO2排出量:124-128g/km
車両重量:1572kg
パワートレイン:直列4気筒1498cc ターボチャージャー+ISG
最高出力:150ps/5000rpm
最大トルク:25.3kg-m/1500-3500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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