急速充電対応の4WD車 スマート新型「#5」コンセプトモデル公開 ブランド史上最大サイズ

公開 : 2024.04.30 06:05

スマートは新型「#5」のコンセプトモデルを中国・北京で開催中の北京モーターショーで公開した。無骨な外観を持つクロスオーバーEVで、航続距離は550kmとされる。年内に量産型が登場する予定。

アウトドア志向の電動クロスオーバー車

スマートは、中国・北京で開催中の北京モーターショーにおいて新型EV「#5」のコンセプトモデルを公開した。ブランド史上最大のモデルとなる。

サイズ的にはアウディQ3ボルボXC40に近いCセグメント・クロスオーバー車で、欧州や中国では年内に量産型が発表される予定だ。

北京モーターショーで公開されたスマート#5のコンセプトモデル
北京モーターショーで公開されたスマート#5のコンセプトモデル    AUTOCAR

スマートは、ドイツのメルセデス・ベンツと中国の吉利汽車が50:50で所有する合弁会社だ。近年、フォーツーやフォーフォーといった従来の超小型車路線から脱却し、#1、#3など新しい製品ラインナップに注力している。

#5はアウトドア・レジャーを意識したタフなデザインを特徴とし、詳細はまだ明かされていないが四輪駆動の電動パワートレインを搭載するという。

量産型では、ボルボEX30ポールスター4、ジーカーXなどと同じ吉利汽車のSEAプラットフォームを採用することが有力視されている。

兄弟車との大きな違いとして、#5は800Vの高電圧駆動システムと100kWh以上のバッテリーを搭載する。1回の充電での航続距離は550km以上(欧州WLTPサイクル)で、15分で10~80%の充電が可能とされる。

量産型には、より安価で航続距離の長いシングルモーターのバリエーションも用意されるようだ。

参考までに、スマート#1は400Vシステムを搭載しており、充電速度は最大150kW、30分以内に10~80%の充電が可能で、航続距離は440kmである。

インテリアでは新しいレイアウトを導入し、2枚のインフォテインメント・タッチスクリーンを1つの大きな楕円形ディスプレイに統合している。インストゥルメント・ディスプレイもデジタル式となる。

車載コンピューターとして米国の半導体メーカーAMD社のV2000プロセッサーを搭載し、処理能力を大きく高めた。AIアシスタントがさらに高度化し、テキストメッセージ、エアコン、ナビゲーションなどのボイスコントロール機能も向上するという。

デフロスターやハザードスイッチなど主要機能の物理コントロールは省略され、タッチセンサー式パネルに割り当てられている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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