スコダ・スパーブ・プロトタイプ
公開 : 2014.12.13 23:30 更新 : 2017.05.29 18:40
■どんなクルマ?
セダンのように開くトランクは、別のレバーを引けばルーフ付近を視点にハッチバックさながらにガバッと開けることもできる、というのがスコダ・スパーブのトレードマークだったけれど、今回のモデルからはそのような機能は取り払われたようだ。
スコダは ’シンプルに、賢く’ というスローガンを掲げ、この2パターン式のテールゲートはたしかに賢かったけれど、お世辞にもシンプルとはいえなかっただけに、この変更は前向きに捉えてもよいのではないだろうか。
そしてこれはスタイリングにも二次的な効果をもたらしている。少なくとも先代のようにずんぐりとしたリアビューとは一線を画していることが、カモフラージュのうえからもお分かりいただけるはずだ。2015年8月の販売に先駆けて同年2月に発表があるので、それまでは楽しみにお待ちいただきたい。
’ごく一般的な’ テールゲートに取って代わったということはつまり、先代のようなクーペ風のスタイルが廃されたことになる。したがって頭上のスペースはこれまで以上に余裕が増し、普段後部座席に乗ることが多い向きにとっては快適性も高まっているということになる。
だからといって荷室容量が犠牲になっているわけではなく、実際の容量は625ℓを確保。フロント・オーバーハングが短くなったことによって全長の延長は20mmに抑えられている。ただしルックスの向上を追い求めた結果、横幅は50mm増加している。
高強度鋼をなんと45%も用いることにより全体的なねじれ剛性は12%向上。ただしどのグレードでも平均75kg軽くなっているのはフォルクスワーゲン・ゴルフやパサートが用いるMQBプラットフォームを採用した結果だ。
ならば親会社のパサートとの勝負を強いられるのかというとそうではなく、パサートはコンパクト-エグゼクティブという立ち位置であるため、あくまでスパーブはフォード・モンデオやヴォグゾール・インシグニアなどのライバルとなる。
スパーブはこの2台よりも優れていることをスコダは確信しており、筆者も今回のテストを通してそう感じた次第だ。
■どんな感じ?
日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、スコダは年間100万台ものクルマを生産している。したがってカスタマーが何を求めているのかをよく知っており、それゆえにこのクルマの出来栄えもプロトタイプにかかわらずすこぶる良い。
生産の拠点のひとつである中国は、後部座席のスペースを何よりも重要視する傾向にある。したがってこちらのそれも並外れて広く、またハイテク機能も満載だ。