両側スライドドア採用 VW新型キャンピングカー5月7日公開へ 「カリフォルニア」初のPHEVも

公開 : 2024.04.30 18:25

フォルクスワーゲンは5月7日に新型キャンピングカー「カリフォルニア」を発表する。乗用車ベースで快適性と安全性を高め、携帯型タブレットなど新機能も導入。2025年よりドイツで生産開始予定だ。

乗用車ベースで快適性・安全性向上

ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲンは、新型のキャンピングカー「カリフォルニア」を5月7日に正式発表する予定だ。

現行型とは異なり、ミニバンのマルチバンをベースとし、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルの導入や両側スライドドアを実現した。欧州では来年発売される見込みだ。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト    フォルクスワーゲン

昨年8月に公開されたコンセプトモデルでは、1.4Lガソリンエンジンと電気モーター、13kWh容量のバッテリーを組み合わせ、合計出力218psを発生。電気のみでの航続距離は約40kmとされた。

ボディサイズは全長5304mm、全幅1941mmと、シリーズとしては過去最大だ。これにより、広い居住空間と快適性、安全性、柔軟性を確保しているという。

室内の収納スペースも増えると期待される。ベースのマルチバンでは手動式ハンドブレーキの代わりに電子式パーキングブレーキを採用しており、空いたスペースを活用すれば引き出しや棚、ドライ・コンポスト式トイレなどを設置できそうだ。

コンセプトモデルでは、食器棚とオーニングアームを照らす色調整可能なLEDライトなど、現代的な装備が多く備わっていた。取り外し可能なキャンピング・ライトや、テールゲートに取り付けるタイプのシャワーもあった。

タブレット端末からさまざまな操作が可能に

フォルクスワーゲンによると、「現代における理想的なキャンピングカー」を目指し、携帯型タブレット端末を搭載するという。このタブレット端末から、ポップアップルーフを上げたり、真水や排水の量を確認したり、室内の照明機能や電源の状態、冷蔵庫、AUXなどに関する情報を閲覧したりすることができる。映画やテレビの視聴も可能だ。

そして、右ハンドルの地域にとって重要な点は、なんといっても両側スライドドアの採用だろう。現行型カリフォルニア(T6世代)では車体右側にのみスライド式のリアドアが装備されている。キャンプにおける利便性はもちろん、街中での乗降のしやすさも改善されるだろう。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト    フォルクスワーゲン

新型カリフォルニアの生産は、フォルクスワーゲンのドイツ・ハノーバー工場で2025年から開始予定である。

価格は未定だが、現行型の6万1322ポンド(約1200万円)を上回ると予想される。参考までに、メルセデス・ベンツVクラス・マルコポーロは8万3490ポンド(約1640万円)から、フォード・トランジット・ナゲットは7万6027ポンド(約1495万円)からとなっている。

なお、ID.Buzzをベースとするフル電動モデルのカリフォルニアも2025年に登場する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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