悪路のスーパーヒーロー ジープ・ラングラーへ試乗 ロックレールで側面衝突に対応 12.3型モニター獲得

公開 : 2024.05.18 19:05

1番幸せを感じるのはオフロード

右足を踏み込めば、2.0Lエンジンは滑らかに回転。高負荷時には、ザラ付いたノイズが聞こえてくる。

8速ATの反応は若干ダルに思えるものの、険しい悪路では優しい変速で速度調整しやすい。ラングラーを運転して、1番の幸せを感じられるのはオフロードだ。

ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)
ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)

もちろん、サスペンションはソフト。サイドウォールの厚いタイヤは、路面からの細かな入力を吸収し、一般道でもドライブを楽しめる。それでも、リジッドアクスルはタイヤへの衝撃の影響を受けやすく、ロードノイズやボディの揺れとは無縁ではない。

長大なサスペンション・ストロークに、ロッキング・センターデフは標準装備。ルビコン・グレードを選べば、前後のデフもロック可能になり、フロント側のアンチロールバーは、複雑な地形でアクスルから切り離すこともできる。

今っぽいオフロード・モードや、直下の路面を映すカメラは備わらなくても、走破性は抜群。今回のオフロードコースには、深い谷や岩が露出した荒れ地が混在していたが、まったく意に介することなく、走り切ってみせた。デフロックさせる必要なく。

ラングラーの能力を完全に引き出すには、本気度の高いオフロードコースが必要になる。サーキットを走らせなければ真価を確かめられない、ポルシェ911 GT3 RSと同様に、秘めた能力の高さに充足感を抱けるタイプのクルマだ。

スーパーヒーローのマシンにもピッタリ

英国での価格は、ベースグレードのサハラで6万1125ポンド(約1174万円)から。ルビコンでは、6万3125ポンド(約1212万円)になる。いつでも大冒険へ出かけられる実力を考えれば、高価すぎるとはいえないだろう。

確かに、一般道での体験には妥協がある。悪路性能も、やりすぎなくらい高いといってもイイ。スーパーヒーローが乗るマシンとしても、ラングラーはぴったりだと思う。

ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)
ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)

ジープ・ラングラー(アンリミテッド) 2.0GME ルビコン(英国仕様)のスペック

英国価格:6万3125ポンド(約1212万円)
全長:4334mm
全幅:1894mm
全高:1828mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.6秒
燃費:8.8km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:2028kg
パワートレイン:直列4気筒1995cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:271ps/5250rpm
最大トルク:40.7kg-m/3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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