クラシックベントレー31台による日本一周大冒険ツアー 「BENTLY RISING SUN RALLY 2024」その一端をレポート

公開 : 2024.05.04 11:05  更新 : 2024.05.08 09:31

W.O.ベントレー時代のオープンツアラー18台が参加

18台が参加したW.O.ベントレー時代のオープンツアラーの内訳は、オリジナルの3リッターが4台、6気筒の6 1/2リッター・スピード6が3台、4 1/2リッターが8台、そして最終モデルの巨大な8リッターが3台であった。

6気筒8リッターモデルは日本には輸入されたことがなく、細部を観察するのが楽しみであった。実車はボンネット位置が他のモデルより一段と高く大振りで、威風堂々としているのに感動した。ベントレー独特のエグゾーストノートも力強く、W.O.ベントレーの集大成版だと感じさせるに充分であった。

迫力のある1931年8リッター。
迫力のある1931年8リッター。    前田惠介

この時撮影したGP1999、GN5182の2台はいずれも英国からのエントリーであった。GN5182のオーナー、トニー・シンクレアさんは、私のアドレスにすぐに自身の8リッターのヒストリーを送ってくれた。

それによると完成当初はサルーンボディであったが、その後5人のオーナーを経て、1970年から2002年まではバラバラの状態でアメリカにあったようだ。

しかしレストレーションが開始された後、途中からUKに移り、2010年にショートシャシーに短縮されたオープンボディでレストアが完成された。完成後は現オーナーのもとで、カナダやアメリカ、オーストラリアなどをツーリングしているという。

CORSICA製ボディのロングノーズ・ツアラー

1台、超ロングノーズ、ショートデッキのやや変わったスタイルのシルバーのツアラーが到着したので、さっそく取材をしてみると、ベントレー社が苦境に陥った1931年になんとか生き延びようと大幅にコストダウンして製作した最後のモデル、4リッターをベースとしたクルマであった。

メカニカル部分をすべて高性能な8リッター仕様に換装し、ボディはCORSICAというコーチビルダーの手で製造されたそうだ。生産台数はわずかに6台であるという。オーストラリアからのエントリーで、ドライバーはトレバー・イーストウッドさんであった。

CORSICA製のボディを持つ1930年8リッター。
CORSICA製のボディを持つ1930年8リッター。    前田惠介

ティータイムの後は一路蓼科を目指す

ワクイミュージアムでのティータイムの後は、一路蓼科を目指す。一行のランチは自由でどこで食べても良いのだが、ほとんどのエントラントは朝と晩だけしっかりと食べて、昼はパスするか簡単なスナック程度だという。

国道129を走る4 1/2リッター。
国道129を走る4 1/2リッター。    前田惠介

上信越道から国道254号へ 霧のワインディング

上信越道から国道254号に至る山越えのワインディングは、雨と霧で厳しいコンディションとなったが、皆オープンのまま一気に走り抜ける。

国道254の峠を行く4 1/2リッター。
国道254の峠を行く4 1/2リッター。    前田惠介

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

関連テーマ

おすすめ記事

 

ベントレーの人気画像