F1最強チームが「市販車」導入へ 1250馬力のV8ハイパーカー年内発表 レッドブル “伝説的技術者” が主導

公開 : 2024.05.03 06:05

ニューウェイ氏の集大成

レッドブルはRB17を手始めに市販車へ力を入れていくのかという質問に対し、ホーナー氏は「旅の始まりです。我々にとっては興味深い出発点です。 “絶対” とは言えませんが、我々にとって象徴的プロジェクトであることは間違いありません」と答えた。

開発を率いるニューウェイ氏は、2006年にレッドブルに加入して以来、F1チームの成長を設計面で支えてきた。2023年型マシンはF1史上に残る圧倒的な速さを誇った。

レッドブルが公開した「RB17」の予告画像
レッドブルが公開した「RB17」の予告画像    レッドブル

特にエアロダイナミクスに関する彼の革新的なアイデアと知見は、RB17にも反映されるのだろうか。グレイ氏は次のように述べている。

「社内ではRB17を “エイドリアンのグレイテスト・ヒット” と呼ぶこともあります。彼は常にクルマを革新し続け、デザインとエンジニアリングのほぼすべての側面に関わっています」

「誰もがエイドリアンをエアロダイナミクスの専門家として見ていますが、彼はホイール、タイヤ、サスペンション、ブレーキ、そしてエンジンに至るまですべてに関わっています」

その後のインタビューで、ニューウェイ氏は次のように語っている。

「フレキシブルなスカートを装着したクルマになるでしょう。グランドエフェクト・トンネル、アクティブ・サスペンションで滑らかでないサーキットでも走行できます。硬すぎるサスペンションは避けたいですね。エグゾーストブローなど、F1で学んだあらゆる技術を搭載します」

ニューウェイ氏はさらに、エンジンはV8ツインターボで、エネルギー回生システム(ERS)で主にトルクの「充填」を行い、加速時のスロットルラグを軽減することを明らかにした。

「ERSは他の分野でも役立ちますが、今はあまり触れたくないですね」と彼は笑顔で語った。

ホーナー氏によると、RB17の価格は約500万ポンド(約9億7000万円)になるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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