ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適

公開 : 2024.05.04 20:25

走り ★★★★★★★★★☆

ベンテイガEWBは、ほかのベントレーより乗員ファーストなので、パフォーマンスは最優先課題ではない。とはいえ、6.0LのW12でなくてもかなりの動力性能を備えている。スクエアストロークのホットV8気筒はトルク重視で、低回転域でベストな働きをするようチューニングされている。

テスト車は満タンで2600kgあるが、0−97km/hは4.4秒と、104kg−mものトルクを誇ったミュルザンヌより速い。カリナンと比べても0.5秒のリードで、161km/h到達時には1.1秒までその差を広げる。

新たなフラッグシップと言えるクルマに12気筒が不在なのは残念だが、その不足を感じさせないくらいのパフォーマンスを、V8のEWBは備えている。
新たなフラッグシップと言えるクルマに12気筒が不在なのは残念だが、その不足を感じさせないくらいのパフォーマンスを、V8のEWBは備えている。    JACK HARRISON

W12ほどではないにせよ、このV8はすばらしくスムースでストレスがない。走り出しは驚くほど洗練されていて、エンジンは常に控えめで余力を残している。うなりも軽いもので、オーバーテイクや高速道路の合流時でも、遠くから聞こえてくるように感じる。

ZF製のギアボックスは、低速での取り回し時には必ずしも巧みな変速を極めるというものではない。前進と後退の切り替え時に、駆動系の切り替えがはっきり感じられることがある。とはいえ走行中は、超高級車らしく、まるで無変速のようなフィールだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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