ツインターボ+電動スーチャー+ISG! メルセデスAMG CLE 53 クーペへ試乗 速度重視から快適重視まで

公開 : 2024.05.14 19:05

CとEを融合させたクーペのCLEに、AMG 53が登場 専用グリルとスポイラーでやる気満々の見た目 3.0L直6ツインターボ+電動スーチャー+ISGで448ps 英国編集部が評価

専用グリルとスポイラー やる気に満ちた見た目

メルセデスAMG E 53 クーペの後継モデルに当たるのが、このCLE 53 クーペ。ただし、CLE 63も控えており、本気のAMGというわけではない。速さと上質さを両立したといえ、直接的なライバルはBMW M440iやアウディS5などになる。

スタイリングは好戦的。パワートレインだけでなく、サスペンションやインテリアもAMG化され、通常のCLE以上にスポーティに仕上げられている。果たしてどの程度の変化を得たのか、公道で確かめてみよう。

メルセデスAMG CLE 53 4マチック+(欧州仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マチック+(欧州仕様)

見た目を差別化するのは、専用のフロントバンパーとパナメリカーナ・グリル、大きなリアスポイラー、ディフューザーの付いたリアバンパーなど。フェンダーも拡幅され、トレッドは前が58mm、後ろが75mm広げられた。

ドアミラーやホイールも専用品。オプションのAMGオプティクス・パッケージを指定すると、バンパーやスポイラー、ディフューザーなどが一層強調される。それらを追加する前から、やる気に満ちた雰囲気だとしても。

車内では、AMGパフォーマンスのステアリングホイールとシートが、精悍な印象を醸し出す。12.3インチのメーター用モニターと、11.9インチのインフォテインメント用タッチモニターに描かれるグラフィックも、特別仕立てだ。

ただしこのシートは、オプションのプロ・パフォーマンス・パッケージの一部。サポート性が高く、旋回時もしっかり上半身の位置を留めてくれる。

ステアリングホイールのリムは、アルカンターラ巻きで握り心地が抜群。タッチセンサーの反応は、イマイチだけれど。

3.0L直6ツインターボ+電動スーチャー+ISG

ドライブモードを選べるコントローラーは、直感的で好ましい。右側で全体のモードを変更でき、左側でコンポーネント個別に調整できる。タッチモニターを介して、任意のセットアップを登録することも可能だ。

AMG CLE独自となるのが、AMGパフォーマンス・メニュー。速度や加速度など、走行時の情報をデータロガーのように表示できる。サーキットでラップタイムを測るなら、IWCとコラボしたストップウォッチ機能が便利だろう。

メルセデスAMG CLE 53 4マチック+(欧州仕様)
メルセデスAMG CLE 53 4マチック+(欧州仕様)

内装の素材や製造品質は高い。ダッシュボードのカーボンファイバー製トリムが、AMGであることを主張する。エアコンには、実際に押せるハードボタンが残っているのも高く評価できる。

AMG C 63は直列4気筒のプラグイン・ハイブリッドになったが、CLE 53に載るのは3.0L直列6気筒ツインターボ。電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が23psと20.8kg-mをアシストし、最高出力448ps、最大トルク56.9kg-mを発揮する。

ターボは新しいツインスクロール・ユニットで、ターボラグを埋めるため、電動スーパーチャージャーも組まれている。複雑なマイルド・ハイブリッドだ。オーバーブースト機能が備わり、最大12秒間は最大トルクを60.9kg-mへ引き上げることもできる。

プロ・パフォーマンスで追加になるレーススタート機能を使うと、0-100km/h加速は4.0秒。最高速度は249km/hでリミッターがかかるが、ダッシュ力はひと昔前のスーパーカーに負けない。ちなみに、アクティブ・エンジンマウントも追加される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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