600馬力のV12スーパーチャージャー搭載 ジャガーXJS、高性能レストモッドで復活

公開 : 2024.05.06 06:25

ジャガーXJSをベースとするレストモッド車「スーパーキャット」が公開された。英国のTWRパフォーマンス社が手掛けた高性能モデルで、最高出力600ps以上のV12と6速MTを搭載する。

88台限定のレストモッド

英国のエンジニアリング会社TWRパフォーマンスが、ジャガーXJSをベースとするレストモッド車「スーパーキャット(Supercat)」を公開した。

最高出力600psのV12スーパーチャージャーを搭載し、価格は22万5000ポンド(約4330万円)からとなる。88台の限定生産で、納車は年内に開始される予定だ。

TWRパフォーマンスによる「スーパーキャット」
TWRパフォーマンスによる「スーパーキャット」    TWRパフォーマンス

1975年に発表されたジャガーXJSのフォルムを維持しつつ、1980年代の耐久レーサーを彷彿とさせるアグレッシブなデザインに生まれ変わった。オリジナル車両に比べてトレッド幅が大幅に拡大され、ワイドフェンダーから特注のエアロディスク風ホイールが顔を覗かせている。

フロントでは大型のスプリッターを装備し、XJSの特徴の1つである六角形の開口部にはLEDライトが設置される。

リアでは、巨大なディフューザーの上に新しいブレーキライトを装備。ルーフからブーツリッドにかけて “フライング・バットレス” が流れ、ダックテールスポイラーへとつながっている。ル・マンで優勝したジャガーXJR-9にも似た雰囲気を醸し出している。

ボンネットにはエアダクトが設けられ、「600psを超える」というV12スーパーチャージャーの冷却を助ける。エンジンの排気量は不明だが、トランスミッションは6速MTを採用した。

インテリアは、新設計のバケットシートとインストゥルメント・ディスプレイが特徴のようだ。インテリアの詳細は今年後半に公開予定とされている。

スーパーキャットは、かつてマクラーレンフェラーリポルシェに在籍していた熟練エンジニアと、ウィリアムズ、メルセデスAMGルノーのF1チーム出身者が2年以上かけて開発したという。

1988年にTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)がル・マンで初優勝を飾ったことを記念して、88台のみ生産される。

TWRパフォーマンスの創設者であるファーガス・ウォーキンショー氏は、昨年同社を立ち上げた際、「現代のパフォーマンスカーが電子システムに支配される世界で、アナログのドライビング体験を守り抜く」と語っていた。

ファーガス氏は、英国人レーシングドライバーのトム・ウォーキンショー氏の息子である。TWRパフォーマンスにとって初の大型プロジェクトがスーパーキャットだ。

1976年に設立されたオリジナルのTWRは、1980年代から1990年代にかけてジャガーのファクトリー・レーシングを運営したことで知られる。モータースポーツ活動だけでなく、ジャガーの市販モデルの数々とともに、ルノー・クリオV6、ボルボC70、アストン マーティンDB7など、多くのスペシャルモデルの開発にも携わってきた。残念ながら、同社は2002年に倒産した。

オリジナルのTWRと新生TWRパフォーマンスとの間に直接のつながりはない。また、トムの長男ライアン氏が経営するオーストラリアのウォーキンショー・グループとも提携していない。

記事に関わった人々

  • ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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