ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能

公開 : 2024.05.11 20:25

使い勝手 ★★★★★☆☆☆☆☆

インフォテインメント

EX30に装備される12.3インチ画面のインフォテインメントシステムは、Googleオートモーティブのソフトウェアを用いるが、導入時点でAppleとAndroidのミラーリング対応も確約されていた。ところが残念なことに、ボルボがOTAアップデートで追加されるとしていたAppleとの互換性が、テスト車を見る限り導入されていない。同様の問題は、ポールスター2の導入時にもあったのだが。

トップ画面には、競合するシステムにあるようなユーザーが調整できる能力が欠けていて、メニューの階層を掘り進めないと使用頻度の高い機能へたどり着けないことも少なくない。ボルボはホーム画面に幾つかのパターンを用意しているが、ショートカットを並べたツールバーは不在。この有無が、使い勝手を大きく左右すると思うのだが。

Googleベースのナビは、いまのところAppleのミラーリングに未対応。ホーム画面のアレンジ性不足も、使い勝手を損ねている要因だ。
Googleベースのナビは、いまのところAppleのミラーリングに未対応。ホーム画面のアレンジ性不足も、使い勝手を損ねている要因だ。

今のままでは、ドライバビリティに直接関係する各機能の操作があまりに呼び出しづらい。機能をオフにしたはずが、再起動のたび勝手にリセットされてオンになるのもうっとうしい。

Googleベースのナビを用いる利点は、Googleアカウントを持っていればアドレスや目的地をセーブできることだ。テスト車にはハーマンカードンのプレミアムオーディオが装備されていたが、ドアスピーカーがないので、音はやや痩せ気味だ。

燈火類

LEDライトは標準装備で、パワーも照射範囲もかなりのもの。自動減光機能は備わるが、前走車への反応は対向車へのそれより遅い。

ステアリングとペダル

一般的な2ペダルのレイアウトは問題なく、ブレーキペダルは左右どちらの足でも操作しやすい。ステアリングコラムは、チルトもテレスコピックも調整幅が広い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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