ボルボEX30 詳細データテスト 高い動力とほどほどの操縦性 物足りない乗り心地 厄介な監視機能

公開 : 2024.05.11 20:25

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

英国での価格設定は3万3795ポンド(約649万円)からというEX30をして、ボルボは購入の敷居を大きく引き下げたと言うが、これは装備がシンプルで、バッテリー容量も航続距離も最小のシングルモーター・プラス仕様の場合だ。

テスト車は中間グレードのシングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラスで、価格は3万8545ポンド(約740万円)となるが、装備は充実している。パイロット機能付きのクルーズコントロールのほか、ボルボご自慢の安全システムはフル装備状態。ワイヤレス充電器やプレミアムオーディオ、前席とステアリングホイールのヒーターもついてくる。

中古車市場におけるEX30のニーズはかなり高いと予測されるため、競合車より残価率は高くなりそうだ。
中古車市場におけるEX30のニーズはかなり高いと予測されるため、競合車より残価率は高くなりそうだ。

それ以上を望むなら、4万2045ポンド(約807万円)のウルトラへアップグレードする以外に選択肢はない。オプションパッケージなどは用意されていないからだ。

残念だったのは電費だ。英国の高速道路の制限速度である113km/hで巡航した場合は4.2km/kWhに留まった。たしかに気温の低い中でのテストだったのだが、テスト車にはヒートポンプが標準装備されていたというのに、この数字では不満を覚える。

低速走行であれば、公称値に近い数字が出るのだが、複合的な使い方をすると、一充電あたり288kmしか走れないのだ。主なライバルは、これより25〜40%は余計に走る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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