MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製

公開 : 2024.05.19 17:46

最も軽く最も純粋なR32型 語りきれない物語

アンディは、敷地内にヘリテイジ部門を作ろうと考えているが、英国の日産がクラシック部品の輸入を認めないため、進展が難しいとか。「英国のディーラーは、スカイラインのことを忘れているかもしれません。でも、維持させることが自分の責任です」

「日産のヘリテイジ・センターのようなものにしたい。ブルーバードやスタンザまで、クルマは揃っています」。速いレーシングカーへ課せられる、吸気量を制限するリストリクターと車重を増やすバラストも、彼は今でも保管している。

日産スカイライン GT-R(R32型/1989〜1994年/英国仕様)
日産スカイライン GT-R(R32型/1989〜1994年/英国仕様)

モータースポーツへの熱意も消えていない。クラシックカーで競う、ヒストリック・ツーリングカー・チャレンジへ、グループA仕様のR32型GT-Rで参戦中だ。

アンディと丸1日をともにし、ここには記しきれないほどのお話を聞いた。とはいえ、これからも話題は増え続けるだろう。

約30年で4世代のGT-Rを取り扱ってきた彼だが、最後に1番はどれか尋ねると、R32型だと答えた。「グループA規定に合致した、唯一のスカイラインです。最も軽く、最も純粋。特に価値があると思います」

「自分が今も乗っているグループAマシンは、パワフルで速い。30年前の日本車ですが、スリックタイヤを履いた現代のポルシェ911 GT3と同じくらい速いんですよ! オフィスの隣に停めて、毎日眺めています。語りきれないほどの物語が詰まってますね」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ベン・バリー

    Ben Barry

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

スカイラインGT-Rで成功した男の前後関係

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