T6カリフォルニアと比べてみる フォルクスワーゲンID.バズ 長期テスト(3) 長旅の素晴らしい相棒

公開 : 2024.05.19 09:45

過去の栄光を今に蘇らせたVW ID.バズ チャーミングな見た目の電動ワンボックスの実力は? かつてのファンの心も掴める魅力はあるか 英国編集部による長期テスト

積算7934km 大きいボディは洗車も大変

フォルクスワーゲンID.バズは、いわゆる商用バンとは一線を画す。それでも、手洗い洗車の専門店が掲げる価格設定は、そこに合致する。ボディを洗ってもらうだけで17ポンド(約3200円)も支払うのは、少々懐が痛いところだ。

しかし、ジェットガンが置かれたセルフ洗車場で洗うにも、このサイズだとかなり大変なことは事実。ピカピカにしてもらっても、2・3日後にはまた汚くなるのだけれど。

フォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル(英国仕様)

積算9820km グレートブリテン島南西部へ小旅行

担当者のフェリックス・ペイジが長めの休暇を取るのに合わせて、わたし、ジャック・ウォリックがID.バズをお借りした。以前から、フォルクスワーゲンのキャンピングカーは好きだった。その思想を受け継いだバッテリーEVにも、関心を抱かないわけがない。

自分はこの機会に、週末を利用してグレートブリテン島南西部の半島、コーンウォールを目指した。ID.バズに乗り、愛犬を含む家族と一緒に。

フォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル(英国仕様)
フォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル(英国仕様)

2016年式のフォルクスワーゲン T6カリフォルニア・オーシャンに乗っている両親は、全国をクルマで旅している。偶然にも、その日はわれわれの目的地付近にいるという。折角だから、少し交換してもらう約束も取付けた。

長旅の素晴らしい相棒 快適性に唸らされる

ザップ・マップというスマートフォンのアプリによると、コーンウォール付近には408か所のバッテリーEV用の充電器があるらしい。ただし、その殆どは幹線道路のA30号線沿いか、大都市周辺に設置されている。

筆者が目指す場所は、半島の先端にあるリザード。最も近い充電器まで、50km弱の距離があるようだ。無事に帰ってこれるか、予め計画を練ることにする。

友人の引っ越しに駆り出されたフォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル
友人の引っ越しに駆り出されたフォルクスワーゲンID.バズ SWB 77kWh プロ・スタイル

出発は朝の4時。片道500kmの自動車旅行だが、ID.バズの快適性には唸らされた。沢山の荷物も問題なく載せられ、長旅の素晴らしい相棒になった。移動した時間が早かったから、充電器も基本的に空いていた。

自宅を離れた時点で駆動用バッテリーは満充電ではなく、算出された航続距離は273km。コーンウォールへ向かう途中の、メンベリー・サービスエリアで30分ほど電気を追加し、デヴォン州のエセクターという街へ立ち寄る。

高いコーヒーとベーコン・ロールパンで小休憩。ID.バズの駆動用バッテリーも、その時間を利用し満たし、順調にリザードへ辿り着いた。

電気代は、1kWhあたり0.75ポンド(約144円)。グレートブリテン島の南側を横断するのに、40ポンド(約7700円)ほどかかった計算になる。

リザードでは、ID.バズはミニバンとして大活躍。快適なまま、不順な天候も乗り切ることができた。ワインディングをスルスルと走り、170kWが主張される急速充電能力も、いかんなく発揮してくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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