なぜ好調? マツダ「過去最高」売上達成 鍵を握るラージ商品群、待望の次期型CX-5はいかに

公開 : 2024.05.11 06:05  更新 : 2024.05.11 12:43

国内販売の「懸念」は?

好調な業績を残したマツダは、今後さらにIT、人材、研究開発といった領域への投資を増やしていく。人材には特に力を入れ、「人への投資をしっかり行い、将来に備えていく」という。組織風土改革に取り組み、全社的にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進していく方針だ。

また、昨年発足した電動化事業本部を中心に電動化を推し進め、2027年にマツダ初のEV専用プラットフォームを採用したEVを導入予定である。ただし、EVの導入については「市場ごとに現実的な対応」をとっていくとした。

2024年後半に中国市場へ導入する「EZ-6」
2024年後半に中国市場へ導入する「EZ-6」

これらを踏まえた2024年度の業績見通しはおおむねポジティブなものと言える。グローバル販売台数は15万9000台増の140万台、売上高5兆3500億円、営業利益2700億円、当期純利益1500億円を見込む。しかし、決して楽観視できる状況ではない。

市場別に見ると、欧州と中国の業績見通しは「前年並み」とした。欧州では高インフレや高金利、消費者心理の冷え込みといった懸念材料がある。中国では新型EZ-6の導入により販売増を見込むが、発売が今年後半になるため台数貢献は限定的だという。

また、日本でも厳しい状況は続きそうだ。マツダは取材に対し、「SUV市場は引き続き活況である一方、他銘柄の新商品導入もあり、厳しい競合環境が続くと見ている」とコメント。消費動向が一服し、価格上昇の影響も懸念されることから慎重な見方を示している。

それでも今期は国内で2万台増の18万台を見込む。販売施策の強化や、ファンイベント等を通じてマツダ車とマツダブランドの価値を伝え、販売拡大につなげるとしている。CX-60や今期新たに導入されるCX-80にも期待を寄せる。

次期型CX-5の動向やラージ商品群の成長など、今年もマツダから目が離せない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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