ジープ・アベンジャー 詳細データテスト 低重心ゆえの良好な操縦性 日常的な乗り心地には注文あり

公開 : 2024.05.18 20:25  更新 : 2024.08.15 11:44

内装 ★★★★★★★☆☆☆

アベンジャーはじつにうまく、ユーザーの期待をかたちにしている。メカニズムをみるとオフローダーと呼ぶのははばかられるが、乗り込んだ際には、それなりにタフで悪路を走れそうな印象がある。

スカットルは高く、ルーフラインは低く感じられ、幅広くフラットなボンネットがフロントウインドウの根元までを覆っている。ステアリングホイールは小さめでスイッチ類は実用本位。デジタルディスプレイのサイズは必要最低限に留まっている。ドライビングポジションの調整範囲は広いが、基本的には着座位置が高め。実際には地面から大きく離れているわけでもないのだが、前方を見下ろすような視界を得ることができる。それらが相まって、悪路を走れそうな気持ちにしてくれるのだ。

ダッシュボードは、ボディカラーとマッチしたイエローのパネルが目を引く。助手席前のシェルフなど、収納スペースは便利だ。
ダッシュボードは、ボディカラーとマッチしたイエローのパネルが目を引く。助手席前のシェルフなど、収納スペースは便利だ。

収納性は高い。センターコンソールの小物入れは深く、ドアポケットも大きい。ダッシュボードは、片側いっぱいが非常に使いやすいシェルフになっているので、置いたものを手探りで探さなくても済む。

キャビンの質感は価格なりで、硬いプラスティックはかなり多く、黄色いダッシュボードバーを選ばなければ殺風景だ。これに比べると、クプラボーンスマート#1、BYDアット3などのほうが豪華に見える。

前席以外は、エルゴノミクスが特別いいわけではない。後席レッグルームはこのクラスでも狭いほうで、荷室はBセグメントとしてはまずまずだが、プジョーなどの競合車に比べると見劣りする。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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