ジープ・アベンジャー 詳細データテスト 低重心ゆえの良好な操縦性 日常的な乗り心地には注文あり

公開 : 2024.05.18 20:25  更新 : 2024.08.15 11:44

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

アベンジャーをハンドリング目当てで手に入れようと考える理由はほとんどない。驚くほどきっちり精確な挙動を見せるクルマだが、ドライビングにエンタテインメント性は足りない。驚くほど、と言ったのは、フロアに積んだバッテリーが、見た目の背の高さに反して重心を低くしているからだ。

アベンジャーが鼻先の向きを変える素早さは満足いくもので、バランスもいい。どちらもプラットフォームを共用するプジョーに見られる特性で、この小さなジープを、ガッチリしたスタンスでありながら適度に楽しいシティカーに感じさせる。

ウェットコンディションでもトラクションはうまくコントロールされ、コーナリングは俊敏でバランスよく感じられる。
ウェットコンディションでもトラクションはうまくコントロールされ、コーナリングは俊敏でバランスよく感じられる。

ステアリングのギア比も賢明で、アベンジャーを曲がりくねった道でも直観的なクルマにしてくれる。たとえラックにフィールが欠けていて、センターからの切りはじめにゴムっぽい感触があるとしてもだ。

とはいえ、全体的にアベンジャーは、イージーなドライバビリティで評価されていいクルマだ。どんな道でも、流しても飛ばしても楽しい。四駆風の小型電動クロスオーバーなら、これくらい要求してもいいだろう、というものはすべて揃っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事