ジープ・アベンジャー 詳細データテスト 低重心ゆえの良好な操縦性 日常的な乗り心地には注文あり
公開 : 2024.05.18 20:25 更新 : 2024.08.15 11:44
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
シートはランバーサポートの調整機構が備わらず、サイドサポートもなくてややフラットだが、ドライビングポジションに誤ったところはほぼない。この点では、もっと悪い競合車は多い。すくなくともスマートはそうだ。もっとも、クプラ・ボーンのほうが間違いなく上だし、それに次ぐのはMG 4だが。それらのほうが寝かせ気味の姿勢で、長距離移動に向いている。
にもかかわらず、乗り心地に関しては、スムースな道をほぼストレスなく走る。上下方向のコントロールに、ショートホイールベースで背の高いクルマにありがちなギクシャクしたところはなく、コーナーでダルいロールが出ることもない。
平坦でない道ではヘッドトスが多少出るが、たいていの場合そんな問題はない。コンパクトクロスオーバーなら、やむを得ないという程度だ。
だから、穏やかな道をほどほどのペースで走っていれば、アベンジャーはとても付き合いやすいクルマだ。問題が起きるのは、速度も舗装状態も落ちた場合なのだが、英国ではそういうケースが多い。サスペンションへの短く鋭いインプットを吸収しあぐねるのだが、とくにリアはその傾向が顕著だ。乗り心地のクオリティは明らかに破綻しやすく感じる場合がみられるが、これは舗装のいいところでの安定を求めた代償に思える。
静粛性に関しては平均レベル。特別うるさくも静かでもないが、おそらくは角張ったボディが発する風切り音も思いのほか大きくないのだろう。騒音計によれば、すべての速度域でスマート#1よりわずかにノイズが大きいが、より大型で高価なホンダe:Ny1よりはだいぶ静かだ。