ボルボ 次世代EV「EX60」にメガキャスティング導入か 生産効率アップ、CO2削減&軽量化も実現
公開 : 2024.05.13 06:05
環境負荷の低減にも貢献か
メガキャスティングには、環境面での利点もいくつかある。例えば、外部のサプライヤーなどから部品の輸送を減らすことができ、CO2排出量の削減につながると期待される。また、生産時に余ったアルミニウムは溶かして再鋳造することができるため、材料の利用率も向上するとされている。
ボルボは当初、品質管理の観点から新品のアルミニウムをメガキャスティングに使用する予定だが、将来的にはリサイクル金属の使用も検討している。
メガキャスティングには巨大な鋳造機が必要だが、ボルボが開発したマシンはリアトレイ1枚を約120秒で鋳造できるとのことだ。2台のマシンを並行して稼働させることで、1時間に車両約60台分を賄える。
2026年にメガキャスティング技術を導入するのは、スウェーデンのトルスランダ工場だ。スロバキアに建設中の新工場でも導入を計画している。
詳細はまだ明らかでないが、メガキャスティング技術の導入は次世代プラットフォーム「SPA3」の導入計画と連動することになる。SPA3は現行世代のSPA2をさらに発展させたもので、新型EX60に採用される可能性が高い。
現在のボルボのEVラインナップでは、小型のEX30と大型のEX90の間に空白があり、中型のEX60でこのギャップを埋めることになるだろう。こうした位置づけや、ボルボがSUVに重点を置いていること、人気の高いXC60に相当するモデルであることなどを考えると、EX60の重要性は極めて高い。革新的な生産技術の導入も自然な流れと言えるだろう。