ボルボ144 E 「スウェーデン製」と端々から伝わる 当時は最も堅牢な4気筒 人気小説家の愛車(1)

公開 : 2024.05.26 17:45

当時の量産ユニットでは最も堅牢な4気筒

英国への輸入が始まったのは、ステーションワゴンの145が追加された1967年。実際にグレートブリテン島へ届けられたのは、4ドアサルーンの144が殆どだったが、1968年に登場した、2ドアサルーンの142も少数が上陸した。

ステーションワゴンの輸入は、1968年から。ルーフを持ち上げ実用性を高めた、145エクスプレスも、英国以外の一部の市場では提供された。

ボルボ144 E(1974年式/英国仕様)
ボルボ144 E(1974年式/英国仕様)

動力源となったのは、1.8LのB18型か、2.0LのB20型と呼ばれる直列4気筒エンジン。コンロッドは5枚のメインベアリングで支えられ、オーバーヘッドカムで、当時の量産ユニットでは最も堅牢だという評価を得た。

シングルキャブかツインキャブを選べ、過酷な条件での長距離走行に耐えるだけでなく、チューニングで大幅なパワーアップも可能だった。英国では、船舶用のエンジンとしても成功を収めている。

マイナーチェンジで、レザー内装にオーバードライブ・ギアが組まれた144 GLと、ボッシュ社製インジェクションでオーバードライブの付かない、144 Eの2種類が登場。Kジェトロニック仕様は1973年に設定され、Dジェトロニックを置き換えている。

アメリカの保安基準へ合わせるように、バンパーは途中から大型化。スピードメーターは、当初横に長いリボンタイプだったが、後期型では一般的な円形になり、ダッシュボードのデザインはボクシーなものへ一新された。

144 Eの最高出力は116ps。最高速度は160km/hがうたわれ、燃費は7.8km/Lと優れなかったものの、低級なガソリンも常用可能だった。

この続きは、ボルボ144 E 人気小説家の愛車(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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