どれも「同じ」に見えるマクラーレン 新デザインで個性強化へ 次世代スーパーカーの姿は

公開 : 2024.05.15 18:05

計画中の「EV」については?

現時点では、新しいデザイン言語をいくつかのスケッチで暗示しているだけだが、プロジェクトは水面下で確かに進んでいる。

「着実に前進しています。ブランドは変わりつつあり、ポートフォリオも豊かになっていく。これは歴史上最大の変化の1つです。さまざまなパワートレインにも目を向ける必要があるので、この新しいデザイン言語は重要です。単なるギミックではありません」

マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダー
マクラーレンアルトゥーラ・スパイダー

スールマン氏は、マクラーレンが将来的に計画しているEVについては詳述を避けたが、「そのようなクルマを検討する場合、マクラーレンらしく作るつもりです」と語った。

「プロポーションについては検討する必要がありますが、短いリアオーバーハング、長いフロントオーバーハング、何らかのパフォーマンス・ライン、フロントとリアの開口部を設けることは間違いありません。『確かに、これはマクラーレンだ』と言ってもらえるような、明確なサインになるでしょう」

パワートレインが何であれ、すべてのモデルにおいて「形は機能に従う」という基本理念を維持する。スールマン氏は、機能性がデザインの重要な要素となることに変わりはないと主張する。

「これは過去のモデルにも見られますし、今後のモデルにも見られるでしょう」

「機能」と「形」の結びつきは、おそらくソーラスGTに最もよく表れている。ソーラスGTは「限界を押し広げ、その先へ進む」というマクラーレンの野心を示す好例であり、そこで重要なのがテクノロジーを可視化することである。

「あらゆるパーツを称えたい。開口部が必要なければ、そのままにしておけばいい。新しい表面処理が必要なら、完璧になるまで取り組む。マクラーレンはエンジニアリングとエアロダイナミクスと手を携えており、それが特別な美学へと導いてくれるのです」

記事に関わった人々

  • ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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