「ゲレンデ」にも電気の時代が来た! メルセデス・ベンツGクラス G 580へ試乗 破壊的に速い4モーター

公開 : 2024.05.16 19:05

電費は振るわず 自然で真っ当な進化形

さて、四角いボディで車重は軽くないから、容量116kWhの巨大な駆動用バッテリーで得られる航続距離は、最長473km。電費は3.2-3.5km/kWhとなる。実際に運転してみた限り、3.0kmを超えれば御の字だろう。そもそも、Gクラスは燃費が悪かった。

比較すると、このG 580なら、充電が切れるまでにアルプス山脈のシェークル峠を14回踏破できる。AMG G 63は、ガソリンタンクが空になるまでに6回だ。

メルセデス・ベンツ Gクラス G 580 EQテクノロジー(欧州仕様)
メルセデス・ベンツ Gクラス G 580 EQテクノロジー(欧州仕様)

バッテリーEVとしての合理性でいえば、G 580が優等生だとはいえないだろう。価格はお高めだし、走行中の車内の揺れは大きく、風切り音も大きく聞こえる。電費が良好とはいえず、実用性で秀でるわけでもない。

それでもGクラスとして考えれば、自然で真っ当な進化形だといえる。適度にレトロでラグジュアリーな個性は変わらない。そもそも、それらの弱点は内燃エンジンのGクラスにも当てはまってきたものだ。

◯:しっかりGクラス 見事なオフロード性能 良く考えられたパッケージング
△:車内空間は狭め お高めの価格 優れない電費

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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