世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
公開 : 2024.05.19 18:05
スマート・フォーツー
「スマート」というブランドの発想は、1980年代にスイスの時計メーカーであるスウォッチから生まれた。カスタマイズの自由があり、小型でファッショナブルな乗用車というニッチに目をつけたのだ。スウォッチはダイムラー・ベンツと組んで新会社「マイクロ・コンパクト・カー」を設立し、1998年に初代スマート・フォーツーを発表した。
この信じられないほどコンパクトで、陽気でありながら頑丈そうな見た目のクルマは誰も見たことがなかった。オーナーは欧州の狭い都市部の道路でも、平然と駐車して皆を驚かせた。フォーツーの成功は、自動車メーカーに勇気を与えただろう。自動車デザインの傑作の1つとなっている。
トヨタ・ミライ(初代)
水素燃料電池を動力源とするクルマは、なぜか他車とは違うデザインを採用するのが常である。2014年登場のトヨタ・ミライが好例だ。全長5.0m近い大型の高級セダンだが、悲しいことに水素を補給できる場所が限られているため、信じられないほど希少だ。
この未来的なデザインは写真ではうまく伝わらないが、躍動感あるボディラインと洗練されたプロファイルには圧倒されるだろう。運良く実車を見ることができたら、じっくりと脳裏に焼き付けておきたい。
プジョー407
2004年に登場したプジョー407は、先代の406よりもはるかに流線型でアグレッシブ。フロントピラーは強いアールを描き、フロントライトは睨みつけるような光を放つ。最も物議を醸したのは、大きくワイドなフロントグリルだった。このようなグリルは伝統的にスポーツカーにしかなかったのだ。
いわば、407は人々が長年抱いてきたファミリーセダンの「あるべき姿」を打ち壊した。しかし、販売面では大成功を収め、累計100万台以上が生産された。そして登場以来、このグリルはプジョーのトレードマークとなった。静止画でも、スマートで快速に見える。
クライスラー300C
2004年登場したクライスラー300Cは、高いボディサイドやワイドフェンダーなど、大胆かつクラシックなデザインで消費者の度肝を抜いた。日本や欧州にも持ち込まれたが、一部のお高くとまった人々は300Cのクロームメッキの貪欲さと、当時としては非常に大きなフロントグリルを嘲笑した。
彼らは300Cを、既成の高級ブランドに食い込もうとする新興勢力と見ていたのだ。しかし、ソリッドなプロポーションと引き締められた体躯は多くのファンを獲得。今日でも通用するスタイリングとなっている。