世界中で物議を醸した自動車デザイン 20選 今見ると「カッコいい」?
公開 : 2024.05.19 18:05
ジャガーXタイプ・エステート
2001年登場のXタイプは、ジャガーにとってMk2(マーク2)以来のコンパクトセダンであり、同社のベストセラーモデルとして輝かしい実績を持つ。しかし、このクルマには暗い影がさしている。当時、ジャガーはフォードの傘下にあったため、Xタイプはフォード・モンデオと同じプラットフォームをベースに作られたのだ。
一部のジャガーファンはこの事実を受け入れることができなかった。大衆車ブランドとの関連性が、美しくバランスのとれたXタイプの汚点となってしまったのだ。エステート(ステーションワゴン)はセダンよりもさらに落ち着いて見える。
レクサスLS 400(初代)
1983年、トヨタは世界最高のクルマを作るという、今や伝説となったプロジェクトを立ち上げた。10億ドルという途方もない額の研究開発費が注ぎ込まれ、レクサスという新ブランドと、その第1号車であるLS 400が誕生した。1990年のことである。他の自動車メーカーは、レクサスがLS 400を赤字で販売し、市場を不当に混乱させたと非難したが、顧客はそんなことは気にしなかった。
その出来栄えの良さはすぐに顧客に認識され、やがてレクサスは米国市場で既存の高級車ブランドを追い抜くことになった。LS 400の堂々たるサイズ、クラシカルなプロポーション、すっきりと洗練されたボディラインは、今なお素晴らしい存在感を示している。
ランチア・テージス
BMW 5シリーズやメルセデス・ベンツEクラスの対抗馬として2001年に誕生したランチア・テージスには、スポーティ性など微塵も感じられなかった。あえて表現すれば、このクルマは「達観」していた。重みのあるボディを静かにまとい、他車を押しのけるような威圧感もなく、ただ平然と佇む。
美しいレトロモダンの高級セダンであり、どんなクルマも隣に並べば脇役になってしまう。しかし、残念なことにこのデザインは顧客には受け入れられず、8年間でわずか1万6000台しか生産されなかった。