スズキ・スイフト ルノー・ルーテシア やっぱり小さなハッチバックは魅力的! 日仏2台比較(1)

公開 : 2024.05.25 09:45

ハンサムでバランスの良いルーテシア

スズキの強みとなってきたのが、秀でたコストパフォーマンス。これは新世代でも変わらず、英国仕様のエントリーグレードとなるモーションで、1万8699ポンド(約359万円)から。標準装備は充実している。

今回お借りしたスイフトは、トップグレードのウルトラだったが、それでも2万ポンド(約384万円)は超えない。もちろん、一層装備は豊かになる。

ブルーのスズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション
ブルーのスズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション

ただし、ルーテシアの価格設定もかなり魅力的。ハイブリッドを諦めてエントリーグレードに絞れば、1万7995ポンド(約346万円)から英国ではフランス車に乗れる。0.9L 3気筒ターボエンジンは90psを発揮し、充分にストレスなく市街地を走り回れる。

最近アップデートを受け、見た目も魅力的。ハンサムでバランスの良いデザインだと、多くの人が感じるのではないだろうか。スイフトは、こんもり立ち上がったキャビンを受け継ぎつつ、新鮮ながら、比較すると少し装飾的で整いきれていないように思う。

ブルーとブラックのツートーン塗装は、850ポンド(約16万円)のオプション。お借りしたルーテシアに塗られていたバレンシア・オレンジも、700ポンド(約13万円)の追加費用が必要になる。

荷室や後席の空間では並ぶ2台

インテリアでも、2台はしのぎを削る。スイフトのダッシュボードは一新され、造形的な印象は良い。製造品質も高い。しかし、プラスティック製パネルの多くは硬く、触れると安っぽさを感じずにいられない。シートのクロスも、肌触りが良いわけではない。

ペダルはシートの中心からややずれた位置にあり、少し斜めの運転姿勢を強いられる。シートの座り心地も優秀とはいえず、数時間運転したら、筆者は腰が若干痛くなった。

ノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション(英国仕様)
ノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション(英国仕様)

ルーテシアは、内装素材がワンランク上だとひと目でわかる。ダッシュボードにもファブリックがあしらわれ、おしゃれで上質な雰囲気を醸し出している。

どちらも、ダッシュボード上にはインフォテイメント用のタッチモニターが備わり、アップル・カープレイとアンドロイド・オートに対応する。画面が大きいのはスイフトの方。ルーテシアのシステムも、操作性は良い。

車内の小物入れの数では、ルーテシアが有利。だが、全長が3860mmに対し4053mmと長いにも関わらず、荷室や後席の空間では、目立ったゆとりは得ていない。

荷室容量は約250Lで拮抗。必要なら、スイフトにもリアシートには大人3名が座れる。サイドウインドウが狭めで、少し薄暗い印象ではあるけれど。

この続きは、スズキ・スイフト ルノー・ルーテシア 日仏2台比較(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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