機敏で運転が楽しい! スズキ・スイフト 快適で上質なファミリーカー ルノー・ルーテシア 日仏2台比較(2)

公開 : 2024.05.25 09:46

ファミリーカーとしての能力はルーテシアが上

加速力では、ターボチャージャー付きで90psのルーテシアの方へ軍配。中回転域から16.2kg-mの太いトルクが生み出され、差は小さいとはいえ、スイフトより速い。ブースト圧が高まると、急にパワーが増すような振る舞いを好きな人もいるだろう。

しかし、低回転域でのレスポンスではスイフトが優れる点も興味深い。最大トルクは、11.4kg-mなのだが。

ブルーのスズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション
ブルーのスズキスイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション

それぞれに強みを備える、今回の2台。日常的に一般道を長く走り、都市部まで通勤し、時々遊び心を解き放ちたいと考えるドライバーなら、スイフトの訴求力が勝るだろう。新しいマイルド・ハイブリッドは燃費も良く、21.0km/Lを簡単に出せるのもうれしい。

ルーテシアは、英国ではエントリーグレードの価格が大きな魅力。好印象なインテリアはスイフトより僅かに広く、乗り心地は優しく快適。角の取れた上質なマナーで、ファミリーカーとしての全体的な能力では上だろう。

それでも、この時代に小さなハッチバックを選び、内燃エンジンを楽しみたいと考えるなら、スイフトへ惹かれるはず。リソースを活用し、幅広い特徴を提供できる事実を知ると、複数が生産終了へ追い込まれたことが一層残念に思えてくる。

この2台のクルマとしての価値が、従来以上に高まっていることは明らかだ。こんな楽しい比較を、数年後もできることを祈りたい。

スイフトとルーテシア ハッチバック2台のスペック

スズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラ(英国仕様)

英国価格:1万9799ポンド(約380万円)
全長:3860mm
全幅:1735mm
全高:1495mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:12.5秒
燃費:22.7km/L
CO2排出量:99g/km
車両重量:945kg
パワートレイン:直列3気筒1197cc 自然吸気+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:82ps/5700rpm
最大トルク:11.4kg-m/4500rpm
ギアボックス:5速マニュアル(前輪駆動)

ノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション(英国仕様)

英国価格:1万7795ポンド(約346万円)
全長:4053mm
全幅:1798mm
全高:1439mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:12.2秒
燃費:18.9-19.2km/L
CO2排出量:118-120g/km
車両重量:1178kg
パワートレイン:直列3気筒999cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:90ps/5000rpm
最大トルク:16.2kg-m/2000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(前輪駆動)

ブルーのスズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション
ブルーのスズキ・スイフト 1.2マイルド・ハイブリッド・ウルトラと、オレンジのノー・クリオ(ルーテシア) TCe 90 エボリューション

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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