「正常進化」で富裕層をさらに誘惑 メルセデス・ベンツGクラスへ試乗 3L直6ディーゼルがベストフィット

公開 : 2024.05.27 19:05

Gクラスとしての正常進化 魅力は強化

今回の試乗では、オフロードを試す機会はなかった。最低地上高は229mmで、路面とボディが接する角度は、フロントオーバーハング側で31度ある。渡河水深は700mmで、35度の斜面を横向きにも走れるから、能力が高いことは間違いない。

Gクラスとして正常進化を遂げたといえる、最新仕様。従来以上に運転しやすく、高級感は増し、ワイルドさやラグジュアリーさに惹かれてきた富裕層をさらに強く誘惑するはず。V8エンジンも加われば、英国市場では一層訴求力が高まるだろう。

メルセデス・ベンツGクラス(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGクラス(欧州仕様)

ただし、大きな高級SUVとしての総合力で考えれば、レンジローバーの方が勝る。悪路性能やクラシカルな雰囲気という点では、ジープラングラーを選べば半分程度の予算で済んでしまう。

従来どおり、最も賢明な選択肢だとはいえないことに変わりはない。むしろ、それもGクラスの魅力の1つなのだと思う。

◯:最上級といえる機械的な洗練度 強化された高級感 トルクが太く滑らかなディーゼルターボ
△:観音開きのテールゲート 実用性でやや劣るパッケージング 市街地などで実感する大きさ

記事に関わった人々

  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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