ボルボ最新フラグシップ! EX90が完成間近 歴代で1番安全なSUV 乗り心地を最優先 試作車へ同乗

公開 : 2024.05.28 19:05

次世代のフラグシップSUV、ボルボEX90が完成間近 まったく新しいプラットフォームとOSを採用 衝突事故ゼロへ向けた一歩に 航続距離は最長579km 英編集部が試作車の助手席へ

最新プラットフォームとOSを採用

ボルボの次世代フラグシップSUV、EX90が2022年11月に発表されてから、1年半が経過した。いよいよ、数か月以内にアメリカ・サウスカロライナ州で量産が始まるという。

このEX90は、安全性において、同社の新基準を確立するとうたわれる。既に英国では予約を受け付けており、早い人では2024年中に納車されるとか。

ボルボEX90(プロトタイプ/欧州仕様)
ボルボEX90(プロトタイプ/欧州仕様)

ボルボの技術者、ハンデ・エルギトゥルク氏は、ソフトウエア開発が理由で生産開始が遅れたことを認める。「弊社の新技術を公表する意味があり、意図的に発表時期を早めたのです」。と説明する。

EX90が基礎骨格とするのは、SPA2と呼ばれるまったく新しいバッテリーEV専用プラットフォーム。新型ポールスター3と共有するものだ。

新開発された高度なオペレーション・システム(OS)を実装する、ボルボ初の量産モデルでもある。この処理のため、2基の高性能CPUを搭載するという。

複雑なOSを仕上げることが課題になったと、エルギトゥルクが振り返る。「大きな技術進歩といえ、簡単なタスクではありませんでした」

「それでも、安全性はわたしたちにとって非常に重要なことです。お客様への提供前に、すべてが洗練され、第一級といえる仕上がりだと確認することが不可欠でした」

衝突事故ゼロへの大きな一歩 航続は最長579km

CPUの1基は、ライダー・スキャナーと5基のレーダー、12基の超音波センサーを含む20基のセンサーの処理を受け持つ。進行方向の道路などをスキャンし、高度な運転支援システムの稼働を可能としている。

「ボルボがこれまでに提供したモデルの中で、最も安全だといえます。車外と車内の両方で、人間を保護します。衝突事故をゼロにする、大きな一歩になるでしょう」。と、自信を匂わせながらエルギトゥルクが主張する。

ボルボEX90(プロトタイプ/欧州仕様)
ボルボEX90(プロトタイプ/欧州仕様)

センサーは、車内に向けても配置されている。これは、ドライバーの集中状態を監視したり、子どもの取り残し事故などを防ぐ目的も果たす。

ダッシュボード中央には、アイパッドのような14.5インチのタッチモニター。車載機能の殆どのインターフェイスになる。ドライバーの正面にも、小さなメーター用モニターが載っている。複雑なシステムをシンプルにするという哲学で、設計されたそうだ。

EX90の英国仕様は、フル装備のウルトラ・グレードのみで、お値段は407psを発揮するツインモーターが9万6255ポンド(約1848万円)。517psのツインモーターでは、10万555ポンド(約1931万円)に設定される。どちらも四輪駆動だ。

駆動用バッテリーは、共通して107kWh。電圧400Vで制御され、急速充電能力はDCで最大250kW。航続距離は407psで585km、517psで579kmがうたわれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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