ボルボ最新フラグシップ! EX90が完成間近 歴代で1番安全なSUV 乗り心地を最優先 試作車へ同乗
公開 : 2024.05.28 19:05
乗り心地を最優先 印象的な静寂性と隔離性
そんなEX90を味見するべく、筆者はスウェーデン南部のヨーテボリへ向かった。ここには、ボルボのヘレレッド試験場がある。敷地は広大で、高速道路からオフロードコースまで、様々な条件をシミュレーションできる。
ステアリングホイールを握るのは、動的な開発責任者を務めたマティアス・デビッドソン氏。筆者は助手席へ陣取る。
「何より乗り心地を優先しました。自信を抱けるような運転フィーリングも目指しています」。と彼が説明するとおり、車内はとても居心地が良い。特に、車内の静寂性や外界との隔離性が印象的だった。同クラスのSUVの水準で見ても、相当に優秀だろう。
デビッドソンは、歴代のボルボで最も静かなキャビンだと主張する。スカンジナビアン・デザインを感じさせるインテリアと相まって、EX90の車内はプレミアムな雰囲気で満ちていた。
助手席は至って快適。パノラミック・ガラスルーフが開放感を生み出し、オープンポア仕上げのウッドパネルがエレガント。手で触れる部分は、肌触りも心地良い。
路面の荒れた区間へ足を進めても、快適性は揺るがない。試乗車には20インチ・タイヤに、セミアクティブダンパーも備わるオプションのデュアルチャンバー・エアサスペンションが組まれていたが、凹凸を平滑に均し、車内へは衝撃が殆ど伝わってこない。
ボルボらしくコンフォート志向 有力な選択肢に
カーブでは、左右のリアタイヤの駆動力を調整するトルクベクタリング機能が効果を発揮。全長約5m、車重約2800kgという巨体が、滑らかに旋回していく。
ボルボらしく、スポーティ志向ではなく、コンフォート志向。安定し快適な運転体験を与えるよう、シャシーがチューニングされたことは間違いない。ポールスター3との差別化という狙いもあるだろう。ブランドそれぞれの、強みを打ち出すために。
長いホイールベースと、フラットなフロアのお陰で車内空間は広々。試乗車は6シーターだったが、オプションで7シーターも選べるそうだ。3列目へ座ることはできなかったが、観察した限り、大人でも快適に過ごせるだろう。
実際に試乗するまで具体的な評価はできないものの、プレミアムSUVの有力な選択肢に仕上がることは間違いなさそうだ。助手席で体感した限り、極めてラグジュアリーなボルボだと感じた。数か月以内に、運転席での印象もお伝えできるだろう。