新しい穴は1つもナシ! デビッド・ブラウン・ミニeリマスタードへ試乗 スムージング・ボディで電動化

公開 : 2024.05.29 19:05

ミニのレストモッドを得意とするデビッド・ブラウンがエレクトロモッド ボディへ穴を開けずに電動パワートレイン搭載 航続距離177km 運転の印象は記憶のミニ通り 英国編集部が評価

ボディへ新しい穴を開けずに電動化

ミニのレストモッドを得意とするデビッド・ブラウン・オートモーティブ(DBA)が、新作を仕上げた。チューニングした内燃エンジンではなく、電気モーターとバッテリーを載せて。

グレートブリテン島の南部、ノーサンプトンシャー州に拠点を置くDBA社は、オリジナルのミニを綺麗に直してくれる。ブリティッシュ・モーター・ヘリテージ社製の真新しいボディシェルが準備されるため、ボロボロでも構わない。

デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード(英国仕様)
デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード(英国仕様)

その成形型は自社製で、品質は間違いない。驚くような価格を納得させる、高水準で仕上げることができるという。

従来のミニ・リマスタードと違う点は、ミニeリマスタードでは、フェルテン社が提供する電動パワートレインが組み付けられること。同社はミニに適合したシステムを開発した、数少ないサプライヤーの1つだ。

正当なクラシック・ミニとして状態を保つべく、新しい穴をボディシェルへ開けずに、パワートレインを搭載できることが特徴。それ以外の部品やトリムは、基本的にオリジナルのものが使われる。クラシックカーとして、英国では古いナンバーも残せる。

ちなみに英国では、当初のナンバープレートを維持するうえで規定がある。指定項目で8ポイントを得る必要があり、オリジナルか未改造のシャシーやボディシェルを維持していれば、5ポイントが得られる。

サスペンションがオリジナルなら2ポイントで、アクスルやトランスミッション、ステアリングも2ポイント。エンジンは1ポイントだ。

モダンにボディはスムージング 改めて驚く小ささ

小さなボンネット内に収まるのは、新しいサブフレームの上にマウントされた、98psの駆動用モーターとバッテリー。インバーターはリア側に載る。これらはすべて、本来あった固定ポイントへボルトで締め付けられている。

ボディシェルの底面にはケーブルが通され、保護プレートで覆われる。それらも、既存の穴を利用している。充電ポートは、給油口が転用される。

デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード(英国仕様)
デビッド・ブラウン・ミニeリマスタード(英国仕様)

オリジナルのミニは、ボディパネルが出っ張ったリブ部分で結合されているが、DBA社はモダンにスムージング。この手法は、古くからカスタマイズ・スタイルの1つとして確立しており、クラシックカーの認定には引っかからないらしい。

ステアリング系とサスペンションは、オリジナルのまま。インテリアが丁寧に仕立て直され、登録時のナンバープレートがバンパーへ戻され、ミニeリマスタードが完成する。

実物を目の当たりにすると、新車のようにピカピカ。最近はロンドンでもオリジナル・ミニを目にする機会は減っているから、こんなに小さかったっけ、と改めて驚いてしまった。全長は3050mm、全幅は1470mmしかない。これで4人乗りだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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